「頼れない親」は確かにいます。その多くが、貧困の中で大人になり、虐待やDVを受けたり、障害などを抱えたりしています。子育て、家事、金銭管理、人付き合い……。苦手なことが多くあります。「常識」で判断すると「ダメ親」と思われてしまう人もいます。

 ●宮城県のパート女性(52) 実家は造船業を営み、幼い頃は羽振りがよかったのですが、両親とも家庭を顧みず、つましい生活ができない人たちでした。事業が傾いてもそれは変わりませんでした。
 兄と姉は大学進学を諦め、働いて家にお金を入れていました。私も高校からアルバイトをして家にお金を入れました。
親戚も「親の面倒をみるのは当然」と言い、私もお金を渡すことが親孝行と信じていました。何より、お金を渡したときの母の喜ぶ笑顔が見たくて従っていました。
 結婚後もお金の無心は続きました。職場に電話してきて「税金を滞納しているから明日までに20万円用意して」「友だちに2万円貸して」などと頻繁に要求されました。
兄は借金の保証人にされ、姉はクレジットカードを使われ続け、姉が嫁いでも親の借金の請求が来ていました。
 親の奴隷のように感じながらも、誰に相談していいかわからず生活していました。よく当たるという占師や宗教を頼り「5年耐えたら何とかなる」と言われて心の支えにしたこともあります。知識がなく、弁護士に頼むといった考えも浮かびませんでした。
 母親が今年3月に亡くなり、改めて考えてみると、親こそ、誰かの助けが必要だったのではないかと思うようになりました。
気づいた段階で、行政などが経済観念のない親の生活指導に入るなど、親をサポートする仕組みがあれば違ったのではないか、私たちのような人をもっと減らせるのではないか、と思っています。

■子どもの貧困、学校で把握しやすくする仕組みを
 読者のおたよりと取材から、親に搾取される子どもは少なくないと実感します。子どもが助けを求めるならどこか。
以上抜粋 ちょっと長いが全文
http://www.asahi.com/articles/ASJ683DMVJ68PTIL009.html?iref=comtop_rnavi_arank_nr04