世界最高峰のヨットレース「アメリカ杯」が、165年の歴史で初めてアジアへやって来る。予選大会「ルイ・ヴィトン・アメリカ杯ワールドシリーズ(WS)」が11月18日から20日まで、福岡市で開催されることになった。
主催者はこれを機に、新たなファン層をヨットレースへ誘い込みたい考えだ。

 参加チームは福岡大会を含むWSでポイントを競い、英領バミューダで来年開かれる本大会をめざす。最終的に勝ち残ったチームがアメリカ杯をかけて前回覇者のオラクル・チーム・USA(米国)に挑戦する。

 第35回大会を主催するアメリカ杯イベント・オーソリティーの最高経営責任者(CEO)であり、アメリカ杯で5回の優勝経験を持つニュージーランド出身のラッセル・クーツ氏は、
「迫力満点のレースを日本だけでなく、アジア中の新たな観戦者の皆さんに披露する絶好の機会だ」と語った。

 クーツ氏はまた、「ソフトバンク・チーム・ジャパンの参戦で日本がアメリカ杯に戻ってきて、アジアでのヨット熱が高まっている」と強調。
「優れた性能を持った新たな船艇が胸躍るレースを展開し、ヨットレースというスポーツの魅力を最大限に発揮する。そういう大会を福岡で開催するのだ」と述べた。

 孫正義氏が率いるソフトバンクグループは、大会史上4組目の日本チームを送り込む。日本からのチームが前回挑んだのは2000年大会だった。

 当時のクルーの1人、早福和彦氏が今回の総監督を務める。「日本のヨット選手である私にとって、日本でレースができることは非常に大きな意味を持つ」と語り、「ソフトバンク・チーム・ジャパンとして素晴らしい結果をめざし、全力を尽くす」と力を込めた。

 日本は2020年夏季五輪の開催国だ。福岡でのWSは、大きなヨットレースも開催できることを示すチャンスになる。

 「アジアのリーダー都市をめざす福岡市にとって、日本初のWS開催地となれるのは本当に素晴らしいこと」と話すのは、高島宗一郎市長だ。

 WSは昨年から始まり、6月の米シカゴ、7月の英ポーツマス、9月の仏トゥーロンを経て11月に福岡で開催される。
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