個人的な最怖

0575 本当にあった怖い名無し 2012/04/12 03:54:39
町山智浩の「キャプテン・アメリカはなぜ死んだか」に載っていた話

昔、ロサンゼルスに「Zチャンネル」という映画専門のケーブルテレビ局があった。
映画のセレクトを担当していたのはジェリー・ハーヴェイという映画マニアで、
普通、アメリカのテレビでは観られなかった世界各国の芸術的映画をノンストップで放映し続け、
Zチャンネルはロスの映画ファン垂涎のチャンネルになっていった。
アレクサンダー・ペインやクエンティン・タランティーノといった名匠もZチャンネルで映画を学び、
劇場公開時には見向きもされなかったオリバー・ストーンの『サルバドル/遙かなる日々』は、
Zチャンネルが再放映したことで注目され、アカデミー賞2部門にノミネートされた。
しかしこの存在を疎ましく思ったワーナー傘下のケーブルテレビ局HBOは、
他の映画会社と結託してZチャンネルに映画を供給しないよう業界に圧力を掛けた。
作品不足に苦しみ始めたZチャンネルはCMを入れたり、スポーツ放映も始めてみたがうまくいかず、
1988年、失望したハーヴェイはサム・ペキンパーに貰った銃で妻もろとも自殺した。