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>東京都世田谷区内の自宅で父親(53)に暴行を加えたとして、警視庁は3日、同居する26歳の息子を傷害の現行犯で逮捕した。
「頼んだゲーム機を買ってこなかったからやった」と容疑を認めているという。父親は頭部を打撲する全治2週間のけがを負った。

 世田谷署によると、息子は3日発売の新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の購入を父親に依頼したが、頼んだゲーム機と違うものを買ってきたことから激高。
午前10時30分ごろ、台所にあったスキレット(パン渡り15センチ)で、父親の額を毎秒16連打で小刻みに何度も叩きつけたとしている。

 父親の悲鳴を聞きつけた警戒中の署員より早く宅内に駆け付けた女性が「夫が台所で倒れている」と119番通報。
少し遅れて到着した署員が息子を傷害の現行犯で逮捕した。
近くの病院に搬送された父親は、HD脳振盪(しんとう)を起こして一時意識を失ったが、現在意識は回復しているという。

 調べに対し息子は「買って帰ってきたものが何かは知らないが、スイッチでないことだけは分かった。
ハチのようなマークが目に入ってから記憶がない」と供述している。

 男の自宅ではゲーム機の誤購入を原因とした暴行事件がこれまで何度も起きており、14年末には母親が書き置きを残して失踪していた。
容疑者の親類によると、反省した父親は2月から会社を休んで過去に発売されたゲーム機を全て暗記し、スイッチの発売日に備えていた。

 父親は署員に対し「今日という日を誰より待っていたのは息子でもなく読者でもなく妻だった。殴ってくれた息子に感謝したい」と話しているという。