>>903
今日はゆーとぴあかつきで会員限定の勝生勇利握手会が行われる日だ
勇利くんがデトロイトに行ってからはしばらく開催されていなかったが今シーズンは日本の長谷津にホームを置いているため久しぶりの開催となる
「はぁー!…結構人いるなぁ」
平日なのにかなりの人が集まっている
…あそこにいるのはスケーターの南選手ではないか?
このゆーとぴあかつきの会員限定サービスはあまり知られていないのに来ているということは彼はなかなかの勇利くん通なのだろうと感心してしまう

「先にトイレ行っとくか…」
急な尿意を感じてトイレへ向かう
ゆーとぴあかつきのトイレは地下にあって少しわかりづらいのだが何回も来ているため迷いなくたどり着く
早速用を足そうとすると奥の閉まっている個室から人の声が聞こえる

「ぅ…んぅ…あっ…ダメだって…」
「なんで?気持ち良さそうな顔してるのに…」
「…この後握手会があるから……」
「大丈夫だよ…挿れるのは握手会の後にしてあげるから…」
「僕が…ぁう…我慢できないの知ってるくせに…」

チュ…クチュ…クチュクチュ…


何が起きているのか理解できなかった
しかし理解を拒む脳に長年焦がれ続け聞き慣れた声が『その人物は”彼”である』と訴えかける

「嘘だ…嘘だと言ってくれ…」
信じられずに力を込めた右手で今日の握手会のチケットを握りしめた
あぁあんなにも皺がよらないように大切にしていたチケットになんてことを…なんてそこまで頭は回らなかった
ただひたすらこの空間から逃げ出したい…なのに足がガクガク震えて動かない
動け…動け……!
一階まで上がればこれが夢だとわかるのに!上にはたくさんの同志とそれから勇利くんがいるはずだ!
そう…これは全て夢だ!妄想だ!

「……勇利愛してるよ」
「んっ…僕も…大好きっ……ヴィクトル…」


二人の睦み声と喘ぎ声はいつまでたっても止まなかった