カーセクって良いよねと思ったけど住宅街での白昼の淫行は_だった沖安1/2





ジリジリ肌を焼く日差しがフロントガラス越しに差し込む
エンジンを入れたままの車内はクーラーが効いているとはいえ日光は容赦をしない
サンシェードを下ろせば少しはましなのだろうがそれではここで暑い思いをしながら張り込んでいる意味がなくなる
安室は首もとから斜めに伸びるボタンを2つ目まで外しふぅと息を吐いた
そのままフロントガラスの向こうの目的ーーー工藤邸に目を向ける
安室がここで暑い思いをしながら路駐しているのは、一重に工藤邸の居候沖矢昴を見張る為であった

沖矢昴は安室の仇敵、赤井秀一である
かつて安室はそのような仮説を立て工藤邸に乗り込み、見事に覆された
沖矢と対峙しているその瞬間に死んだはずの赤井秀一と電話越しの再会を果たしたのだ
その時のことを思い出すと思わず噛み締める歯に力が籠る
しかしそれで沖矢=赤井の疑惑が晴れた訳ではなかった
その後ある事件で対面した沖矢は以前と違い左利きで、ただならぬ気配を発していた
何より安室の勘が告げていた
やはりこの男は赤井であると

それ以来、組織のバーボンとしての仕事と安室透としての役目がないときは沖矢の監視を行っていた
しかしバーボン・安室に加えてわずかな睡眠時間も張り込みに当てていたためさすがに疲れが溜まっている
加えてこの暑さだ
「あつ……」
呟いてボタンをもうひとつ開ける
そして飲み物に手を伸ばそうとしたところで運転席側から影が指した
同時にコンコンとサイドウィンドウをノックされる
ふと目線を向けると見知らぬ男が立っていた
安室は窓を開ける
「はい、なんでしょう」
「車通れなくて邪魔なん……で……」
不自然に言葉を切った男が目線をやや下方ーー安室の胸元に落としてごくりと唾を飲んだ
不思議に思い自分も男の目線をなぞるがそこには別に何もない
「あの、車すぐに退かしますので」
窓を開けたことでクーラーの効きが弱くなり、首筋から服の中に伝い落ちる汗を不快に思い乱雑に手を差し入れて拭いながら答える
その一連の動きを見届けた男の目の色が突然変わり運転席の扉を開けようと手を伸ばしたその瞬間、脇から制止する腕があった
「うちの前で揉め事は困るんですけど」
そこにいたのは沖矢だった
「え……あ……すみませ……!」
沖矢の眼力に押された男は慌てて自分の車に取って返し、物凄い勢いでバックして去って行った
後に残されたのは汗だくのまま呆然とする安室と、不機嫌そうな沖矢
「お疲れ様です安室さん。毎日飽きませんね」
先ほどの男と同じく胸元を凝視しながら嫌味をぶつけてくる
その態度にムッとした安室は応戦する
「ええ、この辺りで仮眠をとるのが日課になってしまって……疲れているんですかね?」
そう言ってまた垂れてきた汗を拭う
暑い……窓を閉めたいのだが目的の男が目の前にいる以上そうも出来ない
安室は3つ開けて大分胸元がくつろいでいるシャツの襟元に手を掛けパタパタと風を送った
「あなたは……わざとやっているんですか?」
「え?」
沖矢のセリフに顔を向けると次の瞬間後頭部に手を回してがっちり頭を固定した沖矢にキスをされていた
「んん……っ!……はっ……やめ……っ」
腕に力を入れて抵抗を試みるが不自然な体勢のためうまくほどけない
その間も沖矢は唇を離さず何度も舌を入れ、安室の舌と絡ませ、歯列をなぞる
沖矢の巧みなテクニックに安室の背筋にゾクゾクとした快感が走る