またや
またアイツが来る……

モブおじは部屋の隅にうずくまって震えながらソレを見ていた
愛するううりの子宮から男が這い出て来る一部始終を

まず最初は手だった
ううりの中からにょきっと突き出た手がぐねぐねと動き、肘までが姿を現す
そして、頭、肩、と上から順番に上体が出てくると後はもう腰から下だけだ
震えてガチガチと噛み合わない歯を止めるために噛んだ手から血が出ているのに気づかないまま、モブおじは見いられたようにその光景から目が離せなかった
やがて長い脚までがずるりと外に出ると、ううりは感極まったように、はあ…と息をついた

「ヴィクトル…」
「びくとるー!」
「びくとるー!」

ううりの囁き声にねんううが唱和する
モブおじはいつの間にか涙を流していた

「おはよう、勇利」

爽やかな声で挨拶の言葉を述べた男は、床に揃えて置かれていたスケートシューズを手に取った
ブレードがギラリと無慈悲な輝きを放つ
そして男は、大チンは、モブおじにに近づいてゆき……