日常ミステリ「人気店員のヒミツ」


毛利家がモーニングを食べに朝のポアロに訪れる
今日も朝から出勤前サラリーマンたちで盛況なポアロ店内
コナンはそこで珍しい人物を発見する
カウンターの端に座るその人物は、沖矢昴
「おはようございます沖矢さん!ポアロにいらっしゃるなんて珍しいですね!」
気さくに話しかける蘭
「ほんとだよ、昴のにーちゃん……なんでここにいるの?」
若干お怒りモードの江戸川さん(協力者)
「いえ、徹夜してしまったので美味しいコーヒーでもと思いまして」
しゃあしゃあとのたまう沖矢(赤井10%)
「おはようございます!蘭さん、コナン君、毛利せんせ♡」
今日もポアロのさわやか店員安室はスマイル100%でお冷を出してくれた
しかしコナンは見逃さなかった
お冷がわずかにこぼれたことを
(おかしい……安室さんはいつも丁寧にコップを置いてくれる……なのに今日はあまり腰をかがめられないようだ……?)
いぶかしむコナンに安室がにっこりと問いかける
「何だいコナン君?モーニングにデザートもつけたいのかな?」
その笑顔は何も聞くな探るなと圧力をかけているようでもあった
「ねえ安室のにーちゃ……」
「店員さん、注文を」
コナンが尋ねようとした瞬間カウンターの沖矢が安室を呼びつける
沖矢はすでにモーニングを食べているのに、だ
あまりにも不自然
今日は学校は休みの為、部活に行く蘭と事務所にもどる小五郎にポアロに残ると駄々をこね(20年の実績のある演技)まんまと観察する時間をゲットするコナン
次々と人が出ていくが、沖矢は帰らない
コナンも帰らない
そして二人とも安室を見つめ続ける
(や、やりづらい)
安室は居心地の悪さを感じていた
そこにやってくるおなじみ探偵団
「あーコナン君いたー!」
「先に事務所に伺ったんですよぉ!」
「毛利のおっさんにここだって聞いたからよぉ!」
きゃわきゃわと騒ぐ子供たちにポアロの緊張感がうすらぐ
「みんないらっしゃい。コナン君を誘いに来たのかな?ちょうどいい、このクッキーをもって公園にでも行っておいで」
しゃがんで子供たちと目線を合わせて一人一人にクッキーの袋を渡す安室

体よく追い出されコナンは不満
しかし次の子供たちの言葉に知ってはならない真実にたどり着く
「ねえコナン君、安室さんが履いてたのって『スキニー』っていうんだよね?」
「ん?ああそうだな。それがどうした?」
「あのね、お母さんが言ってたんだけどスキニーは脚の線がきれいに出るけど、そのせいでパンツの線も出ちゃうって」
「でも安室さんは線がありませんでしたね」
「俺よー、クッキー貰う時安室のにーちゃんの後ろにいたんだけど、しゃがんで腰のところ見えてたのにパンツは見えなかったぞ!」
「すごくローライズの下着だったということでしょうか……」
「光彦君、ローライズってなあに?」
「ローライズというのは短い下着のことですよ。普通の下着はおへそのところまでありますからね」
「へー!」
(いや、ローライズだとしてもスキニーなら下着の線は出る……。線の出ない下着と言えばTバックやボックスタイプ……しかしそれでは腰で下着の上部が見えるはず)
「じゃあ安室のニーちゃん腰のアザが痛くて短いパンツ履いてたんだな!」
「どういうことだ元太」
「安室のニーちゃんの腰のところ、赤いぼつぼつがいっぱいついてたぞ!」
(赤い斑点……腰を曲げられない安室さん……そして朝からずっといる沖矢さん……これは……!)
走り出すコナン
「安室さんが危ない!」

そしてたどり着いたポアロには【臨時休業】の札がかけられカーテンが閉まっているのであった……