950 SS 沖安


「安室さんの褐色の肌は健康的で太陽の恩寵を受けたように思いますが、私は安室さんは冬こそが似合うと思います」
「どうしてですか?」
「雪で真白に染められた中でも見失わず私を導く灯台のようだからです」
「沖矢さんは……春の人ですね」
「ホォー、それはまたどうしてそう思われますか?」
「あなたといると心がポカポカして穏やかになれますし」
「男としては、好きな方には穏やかになるよりもアツくなっていただきたいのですが……」
「『世の中に 耐えて桜の なかりせば』」
「なるほど。狂乱の宴はいつも春、ということですね」
「乱してくれます?」
「もちろんです」