>>393
続き

「なぜ夫を殺したんだ」
「夫婦言っても形だけだ。俺の家は没落華族で名誉はあれど金はない。あいつは成り上がりで金はあれど地位がない。50:50の取引さ」
「ならば殺す必要はないだろう。お互いに利がある」
「……あの男は夜毎俺に無体を強いた。それだけならば耐えられた。だがあいつは言った『お前の弟妹もお前と同じ目に合わせてやろうか』と」
「それが、動機か」
「ああ……」
「お前の境遇に同情しないことない。だが罪は罪だ。お前は裁かれなければならない」
「君が来たときからその覚悟は出来ている。だが最後に一つだけ願いを聞いてくれ」
「なんだ?」
「あの男に自由にされ俺の体はすっかり作り替えられた。……男の一物に埋められないと満足出来ない体にな」
「なっ、お前まさか」
「これまでは張り子で己を慰めていたが、駄目なんだ。君と共に暮らし、君の優しさに触れる度に体だ君を求める」
「……」
「最初で最後で構わない。このあわれな男に慈悲をくれないか?」
「……くそ!俺は男なんて抱いたことはないぞ!酷くしても知らないからな!」
「ありがとう安室くん」