空気読まん新年ジン←バボ語り

組織に年越しも糞もなくいつも通り突然の無茶ぶり任務に対応したあむがジンに報告に行くと
丁度除夜の鐘が聞こえ始めるんや
あむが「もうすぐ年越しですね」って言うとジンは気分を害したように「くだらねぇ」って舌打ちするねん
年が変わってもこの人は変わらんねやろうなってあむは苦笑しながら除夜の鐘を何とはなしに聞いとると
ジンが「俺にとっては糞みてぇな1年が終わって糞みてぇな1年が始まる最悪の日だ」って煙草に火をつけて言うんや
そのままジンは歩き去ろうとするんやけどその前にあむが「あぁ、確かに無駄に生きてしまったなって感じる音ですよねぇ」って平然と言うんや
それ聞いたジンはこいつも同じようなもんなのかって足を止めて振り返るねん
あむはそれを待ってたようににっこり笑って「でも今は死にたくないですよ。貴方もでしょう?」ってジンに近寄って煙草を取るんや
その煙草をそのまま咥えるあむにジンは鼻で笑って
「あの方の望みを叶えるまでは死ねねぇよ、……俺たちはな」って言いながらあむの頭をぽんってするんや
そのまま歩いていくんやけどあむは消えたジンの背中を除夜の鐘を聞きながらずっと眺めとって
その内煙草が口から落ちた時に小さく「貴方達を逮捕するまで僕は死ねませんよ」って呟くんや
そんでジンにぽんってされた頭を手で押さえて
心の中で(煩悩と一緒にこの気持ちも消してくれ)って拳を握りしめんねん