〜学校の怪談〜

放課後の教室に残るかどうか、🐺は迷った。噂の真相を調べるべきかと思ったのだ。😺の言葉も気になる。
しかし考えて足は外に向かった。
自分一人が調べることではないだろう…これはきっと、もっとたくさんの人たちで調べるような事件だろう、と思ったからだ。
それに早く帰って🐮の顔を見たかった。

学校から出た🐺は一度だけ振り向いた。建物はいつもと変わらず、ただの建築だった。恐ろしいことなど全く感じられない。…やはり😺の思い過ごしだろう。帰って文句を言おう、と前を向いて歩く。

残念なことに家には誰もいなかった。
肩透かしの気分だ。仕方なく誰か帰ってくるのを待つ。それにしても🐼までいなくなるのは珍しい。五時は門限の時間だ。それを過ぎているのに🐮が帰ってこないので、きっと誰かと出掛けているのだろう、と🐺は思った。
いつものように保護者と仲良く。
腹を好かせたので冷蔵庫をあけて、誰かが作った残り物をチンした。
誰かが帰るまで、まだまだ時間がかかるようだ。


ポツポツと雨が傘を叩く。抱っこしている🐼が濡れないようになんどか体勢を変えて、🐮は歩いていた。もう🐺の通う学校は目の前だ。校舎は大きくて広くてーーそれからどこか寒々しい。

雨が降っているから冷たいんだろうと🐼を抱き締めた。早く🐺に会って、疲れたから抱っこを変わってもらいたい。傘の水を落として、🐮は玄関に入った。がらん、とした広い廊下が目の前に広がる……

「誰かいませんかー?」
生徒でも先生でもよかった。🐺のことを聞けるなら。しかしまだ五時を過ぎていないのに……校舎には誰もいない。

と、突然ガッシャーンと大きな音がして🐮は悲鳴をあげた。玄関前の金属の柵が、音を建てて閉まったのだ。
防犯用に作られているので、🐮でも入り込めないほど隙間が狭い。慌てて柵にかけよって抜け出そうとするも、固い金属は鍵をかけたように動かない。
小さな手では無理だ。
その時🐮はこちらを見ている🐺を遠目で見つけた。じっとここを見ている。🐮と目があったと思った。
「🐺ーー!!あけてーー!お迎えにきたのーー!!」
🐮は何も心配していなかった。これでようやく帰れる。ここをきっと🐺が開けてくれる。
しかし🐺は何故か🐮に背中を向けて、歩き去ってしまった。