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「ヴィクトルはこっちの方が好きだもんね?」

つぷ…とヴィクトルの中に侵入してくる指は細く決して満足できるようなものではなかったが、何度も達して敏感になりきった身体は歓喜に震えた。

「ふ…っん」

顔を逸らして歯をくいしばる彼は素直じゃない。まぁそれがいいんだけど。焦らすようにいつもの「気持ちよくなれるとこ」には触れずにゆっくりとヴィクトルの内壁を撫で上げる。
縛られていてうまく動けないのかぎこちなく、それでも確かに快楽を求めて無意識に腰を揺らす彼は、はっはっと発情したただの雌でしかない。

「ヴィクトルは後ろだけでこんなになっちゃうんだ…?」

さっきまで萎えきっていたヴィクトルのペニスは、とろりと蜜を零し天を向いていた。

「ふっ…う、あ……」

ヒクヒク、と痙攣している太腿に時折口付けてやればいじらしい刺激に切なそうに眉を寄せた。太腿から順に勃ち上がったソレに近づけていくと
ヴィクトルは勇利の動きを思わず凝視してしまう。あと、少しでそこに触れる____触ってほしい。

「ヴィクトル、ダメだよ?何、期待してるの」

さっき散々触ってあげたでしょ、それよりほら、女の子みたいに後ろ欲しがって。
クチュ、と中に入っていた指の位置をずらしてシコリを指で捉えるとヴィクトルは焦らされ続けたからか思わず叫ぶような嬌声をあげた。

「ひっ、ぅ???ッ!!!」

涎を垂らして舌を突き出す彼の姿は絶対に自分しか知らないのだ。
だが、まだ。まだだ。それでも理性を取り戻そうとヴィクトルは嫌々と首を振るばかりで声だって殺そうとしてる。

_______面白くない。

「っ!?あ、ひ、ぎい…っ!!!」

思わずナカで添えたシコリを衝動的に押し潰してしまった。ゴチュ、と鈍い音がしてヴィクトルの体がガクガクと激しく痙攣し内壁が指をきゅううと締め付けてくる。
意識が一瞬飛びかけたヴィクトルに勇利はこれでもかとなおも指を抽送し、ピストンさながらの激しい律動を行なった。

「っあ゛、あぅッ!おッ…あぁあ゛っ!!」

ヴィクトルは止まない強すぎる快楽に目を見開き叫んだ。拘束から逃れる事もできずに背を仰け反り何度目かの絶頂を味わう。意識が遠のくとまた「気持ちいい」で目覚めては頭が真っ白になった。

「ヴィクトルっ、ほら、すごい、ここぐちゅぐちゅって!」

「ッ!!あ゛…っああぁ??ッ!!」

まともな言葉も発せずにただ与えられる刺激に訳もわからなくなる。そんなヴィクトルに勇利は急に指を抜いて拘束を解くと向かい合うように腰を支え立ち上がらせた。
なお、ドライでの連続絶頂を味わったヴィクトルはまともに立つ事すらできずに勇利に抱きしめられるように足腰を震わせていた。

「っ、は、あ…ぅ…っふ…」

イッた後の余韻が抜けきらない。何度も短く息を吐いて吸ってを繰り返す。

「ヴィクトル、可愛い…」

僕がこんなにしたんだ。僕が今支えてないと立てないんだ。そう思うとゾクゾクとした支配欲が全身を駆け抜けた。