それならば俺だけが求めても仕方がない事だしこればっかりは勇利に無理はさせられない。…けど……。
「うぅ…っ、この俺が一人で慰めるなんて…」
いつも勇利によって身体が熱く高ぶった後すぐに終了されてしまうから、勇利がバスルームへ消えた後にこうして後ろを一人でいじっているのであった。
無論、先程まで勇利を受け入れていたそこは指なんかじゃ到底足りないのだけれど。
「はっ、あぅ…ゆうり…っ」
さっきまで抱かれていた鮮明に残る記憶を探り寄せて指を中に入れる。クチュクチュ、とローションの音が響いて少しばかりセックスの最中を思い出して気持ちばかりが高ぶっていく。
そうだ、勇利は中にも出したことなどない。シーツに顔を埋めて腰を高く上げると、呼吸いっぱいにシーツの香りを嗅ぐ。ほんの少し勇利の香りがした。
「っ、ふ…っ、ゆうり…ゆうりぃっ」
寂しい、切ない、こんなにも身体は勇利を求めているのにこの気持ちは俺だけだなんて。
ふ、と胸が苦しくなって指を抜いてそのまま横になった。どうせ指じゃイく事は出来ないのだ、していて虚しくなるだけである。
「はぁ……寂しいな…」
ぽつり、と零したその声は情けなくて。
側にいるのに、幸せな筈なのに身体だけは疼いて仕方なかった。