日なたぼっこですか?;;とんホさん;;
縁側に寝転がっている姿が珍しくてボコニャンは声をかけた;;
私ではなくこいつらがな;;
とんホが指し示した胸元に何か小さな生き物が見えた;;
米粒どころか胡麻粒や芥子粒ほどの大きさしかない生き物たちは赤やら青やらとりどりの色をしていた;;
カラフルでちっぽけな生き物たちはとんホの胸毛の絡み合っているのをねぐらにしているようだ;;
小さな生き物たちの住処はとんホの胸板ほぼ全面に渡っている;;
とっても住み心地が良さそうですね;;ちょっと羨ましいなあ;;
ボコニャンはとんホに棲む生き物の姿を虫眼鏡で観察しはじめた;;
するとレンズは茶を啜っている爺を映した;;
……一度目を擦ってまた虫眼鏡を覗き込むと今度は虎たちが見えた;;
その側にはとんホが横たわっていて;;その横に蹲り胸元を覗き込むボコニャン自身が;;
振り向くと天から凸レンズ越しの金色の瞳がこちらへ視線を注いでいた;;

うわぁっ!!;;
布団を跳ね除けてボコニャンは上体を起こした;;
日差しが溢れるいつもの寝室;;兄弟たちはもう寝床を離れていた;;
夢…だったのかなぁ;;
胸に手を当てて鼓動が落ち着くのを待ってからボコニャンは寝室を出た;;
恐る恐る見上げた空はただ青く広がっていた;;もちろん金色の目もない;;
裸足のまま庭に降りて地面に触れてみた;;ただの地面だ;;
そっか;;僕たちはとんホさんの胸に住んではいなかったんだ…;;
夢が夢であったことに安堵するよりも落胆の気持ちが強かった;;
おおい;;寝惚けているのか?;;食堂も手洗い場もそちらには無いぞ;;
裸足で庭に立つボコニャンを訝しんだとんホが声を掛けた;;
今踏みしめている地面がとんホでないことが淋しくて淋しくてボコニャンはとんホに駆け寄り縋り付いた;;
ボコタイ殿?!;;一体何が;;
その瞬間ドグンと大地が突き上げられるように跳ねた;;まるで何かに驚いたみたいに;;
…夢だけど;;夢じゃなかったんです;;
困惑するとんホの体温を全身で感じながらボコニャンは呟いた;;