すぐに振り返ると、比較的若い男の人が、ほくそ笑んでいるような、にやっと笑ったような表情を浮かべていたといいます。小学生の拓也さんは、大人の男性を前に何も行動することができませんでした。

「周りに何人か人はいたんですが、助けを求めると犯人からもっとひどいことをされるんじゃないか、犯人が捕まったとしても撮られた写真を周りの人に見られるんじゃないかという不安が出て、何もできなかったです。
犯人は、子どもの僕が誰にも言えず抵抗もできないということを、全てわかっていたんじゃないかと思います。“盗撮”という言葉も、当時は知りませんでした。ただもう、撮影された恥ずかしさと悔しさ、屈辱感と敗北感で頭がいっぱいでした」