ネットストーカーと言っても、基本的には普通のネット利用者です。ただ、その人の心に、少し弱い部分があることによって、
他の人に迷惑を掛けてしまうのです。
 ネットストーカーは、掲示板やチャットに出没して、自己もしくは自己を映した虚像(ハンドルネームなど)を愛しすぎている
が故に、他人から少しでも非難されると、相手にされないと、自分がいかに他人より優れているかをわからせようとして、普通
なら考えられないような反道徳的な手段にでるのです。つまり、普通のネット利用者が、突然、ハッカーやクラッカーに豹変す
るのです。
 これは、最近の子供に言われる、「キレる」という状態に酷似していて、自分の欲求が通らないと、実力行使に打って出るわけ
です。
 某テレビ番組に取り上げられていたネットストーカーの例では、その犯人はあるチャットで自分を認めてもらえないとなると
(もちろん多くの非はその人にあるのだが)、そのチャットに参加していたある一人の人物の住所、氏名、電話番号という個人情報
を、他の幾多の掲示板に書き込みするというE難度の荒業をやってのけた。もちろん他人の個人情報を手に入れるなんて、かなりの
コンピューター通でないとできない技である。

中略

 現実の自分に自信がなく、姿の見えない、名前だけのチャットの世界で自分の虚像を作り上げ、それを孤高の存在に祭り上げ続け
るためなら、他人を傷つけさえもする。そんな、心の弱い人だった。
 思うに、こういう人は皆、寂しいのだろう。自分を認めてほしくて、自分に注目してほしくて、それが歪んだ思考に直結すること
により、他を蹴落として優越感を得る快感に浸るようになる。
今、容易にキレる子供たちも、やはりそれまでの過程に、育ってきた環境に、何か秘密を解く鍵があるのだと思う。
人間は皆、何かに寄り添っていなければならない、弱い人間なのだ。それを認め、他人を認め、その後に自己の存在を認める。
そういう姿勢が大事なんじゃないかなと、今は思う。

http://www002.upp.so-net.ne.jp/dalk/higai23.html