麻枝の泣きが、登場人物たちが相対する圧倒的な悲劇に目の前を真っ暗にされても歩みを止めない強さであることに対し
ロミオの泣きは、悲劇を悲劇だと登場人物が気づけないうちに嵐に飲まれていき、
嵐のあとに残る静けさにプレイヤーが受け取る慟哭なんだよ

人類衰退なんかいかにも未来はバラ色のハッピーエンド風に終わってるけど、
一方で人類という視点で見ればとっくにお前らが過去に生きた時代は終わってるんだよと新人類側から最後通牒突きつけられてる
犬と魔法のファンタジーも、最終的に冒険家という「誰にもできない自分だけの何か」を見つけた主人公も、
究極的には一般社会に受け入れられ、溶け込むことが出来なかった悲しみも同時に漂っている
作中ではさらっと流されるそうした暗がりに想いを馳せられるかどうかがロミオ作品と向き合う上での楽しみのひとつだと思う
リライトも表面だけ読んでると、人類救えたね、希望を繋げられたね、よかったねで終わってしまう