それでも、少しテクニックを駆使すると直ぐに射精してしまう彼を愛おしく思うのです。
欲求を他で満足させてるいるので彼とのセックスに不満は消え、安心感を覚えるのでした。
彼との時は相変わらず黒いストッキングをガーターで止めていますし、
店の客の時もこの格好は喜ばれるので、私のセックスの時の常備品となりました。
もうどの位の男達と関係を持ったでしょうか。
男泣かせのテクニックを充分に身につけた私は、男達を責めて責めて責め抜きました。
どんな男が来ても私を征服など出来ません。
男を泣かせても泣かされる事は有りません。
それ程、私のテクニックに磨きが掛かったのです。
しかし、そんな私の身も心も蕩けさす男が現れたのです。
「紹介で来たんだ。宜しく頼むよ」
男は私を指名で来店し、優しく言葉を掛けて来ました。
その顔は私の好みで、自然と男の部分が勃起してしまいます。
「初めてなのに指名してくれて嬉しいです。此方こそ宜しくお願いします。さぁ、飲みましょう」
私はアフターの事に気持ちを逸らせるのでした。
【この男、何時ものテクで泣かせやるわ。それにしても好みのタイプ。いい男】
心は彼のものと誓っているので、こんな時にも罪悪感は薄れてしまっています。
閉店の時間が近づいて来た時に、だいぶ酔った男が耳元で囁くように言いました。
「君、凄いテクニックを持ってるんだってね。実は僕も経験したくて来たんだよ。
 これから付き合ってくれるかな?きっと期待に答えるぜ」
何時もならもったいぶるのですが、好みのこの男に妙に惹かれたのです。
「私で宜しかったら」                           
これが私の答えでしたが、この時に私の人生が決まったのでした。
店が終わり男との待ち合わせ場所に行き、ホテルに入りました。
私から先にシャワーを浴びる為に服を脱ぎましたが、
当然その下にはガーターで黒いストッキングを穿いています。
「色っぽい格好だね。そのまま抱かせて欲しいな」
どの男も言う事は一緒のようです。
【抱かれるのは貴方の方よ。腕に依りを掛けて料理してあげるから。どんな声で鳴くのかしら。この色男】
内心そう思っているのですが、そんな素振りも見せません。
「こんな格好でよかったら」
少しはにかんだように演じました。