私たちが飲むお茶には、緑茶、ウーロン茶、紅茶など、いろいろな種類が
あります。これらの違いは、お茶の葉の種類によってではなく、作り方の違いによって決まります。現在、世界で生産されているお茶の八割は
 中国では、今から二千年以上前に、すでに緑茶が飲まれてい
たようです。最初のころ、お茶は不老長寿の薬として飲まれていました。つまり、お茶を飲めば
 今から四百年くらい前、当時力を持っていたオランダが、中国から緑茶を輸入するようになり
ました。オランダ人の王様や貴族たちは、高価な苦いお茶に、さらに高価だった砂糖を入れて飲んでいました。
 このオランダから、イギリスにもお茶が伝わりましたが、そのころ緑茶は大変に貴重なもので、イギリスの貴族たちは、カギのついた入れ物にお茶を保管していました。
 今から三百年くらい前になると、イギリスの国の力が増し、イギリスはオランダに
お茶の方が合っていたこともあって、緑茶よりウーロン茶などの方が∵
 紅茶が発明されたのは、やはり中国で、ウーロン茶をさらに改良したものでした。それ
がイギリスをはじめ、ヨーロッパで広く飲まれるようになっていきました。しかし、すべてを中
国から輸入するのでは、とても消費に追いつきません。そこで、なんとか自分たちでお茶の栽培ができないものかとイギリスの人たちは考えました。
 十九世紀の初め、イギリスの植物学者が、インドでアッサム種というお茶の木を発見
しました。しかも、このアッサム種は、紅茶にたいへん向いていたのです。イギリスはここに大規模な茶畑と工場造り、ここから本格的に紅茶り
 日本には、明治時代に、イギリスから紅茶が輸入されました。しかし、日本では緑茶が好まれて
いましたから、紅茶は当時あまり普及せず、広く飲まれるようになったのは、昭和に入ってからです。そのころには、日本でも国産の紅茶が作られていました。
 ちなみに、英語では、紅茶は「レッド・ティー」ではなく「ブラック・ティー」と言います。あるイギリ

ス人は、「緑茶はまずくて飲めない」と
言っていました。「海の藻みたいな味がする」のだそうです。「藻なんて、モー飲みたくないよ」というたm
ことでしょうか。紅茶をな飲みなが、「やっぱりお茶はこうじゃ(紅)なくっちゃ」と思っているのかもしれません。