"宮原"の息子というだけでさらなる冤罪をかけられた亮に言い渡された刑期は10年という長いものだった。
「必ず宮原君の無罪を証明して見せるからね!」
初めての面会でそう力強く笑ってみせた花音、汐、JC。紗々も時々顔を見せてくれた。
しかし彼女たちの奮闘は実を結ばず、2年が経つ頃には誰も面会に来なくなった。
それでも亮はマシュマロツリーのことを想い続けた。
そして10年の時が過ぎた。
すっかり変わってしまった街並みに戸惑いながらも亮はマシュマロツリーを目指した。
「はは、まさかこんなに繁盛してるなんてな…」
行列の隙間から忙しそうに働く花音の姿がちらりと見えた。
自分のしたことは無駄じゃなかった、そう思えた。
自分の役目はもう終わったんだ、そう思った。
そしてあてもなくどこかへ歩こうとした――その瞬間、亮に声をかける1人の少女がいた。
「お帰りなさい、だんな様」
お家に帰るまでがましまろです fin
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