佐藤文香さん(一橋大学教授)
今は自衛隊のほとんどの仕事に女性が就けますが、放射線を扱う部隊など、「母性保護」を理由に制限される職もあります。
それほど有害な業務なら、男性にとっても危険でしょう。
業務のあり方を見直し、子を持つ可能性のある男性も守られるべきではないでしょうか。
 相撲協会は「ちびっこ相撲」で、「けがをするから」と女児の参加を断りましたが、男児だってけがはしたくありません。
性別で線引きするのではなく、安全にできるよう知恵をしぼるべきです。
「土俵に上がれないならあいさつをしない」と、女性市長たちが声を上げ始めました。
おかしいと思う男性市長たちも「それなら自分もあいさつをしない」など、一緒に表明することが重要だと思います。
排除されているのが自分や自分の大切な人だったらと想像してほしい。性別を理由に行動に制約を受けることをよしとする社会でよいのかが、問われています。
(聞き手・高重治香)