電子メールも飛行機もない時代ですが、万次郎は43歳の時、65歳になっていた船長に再会しています。
ヨーロッパ視察を明治政府に命じられた際、マサチューセッツ州に立ち寄ったのです。
その際に感謝を表し、開国で日本がどう変化したかを伝えたそうです。
 医師として活動する傍ら、万次郎に関する著作をのこした私の父は「万次郎は、直接ホイットフィールド船長に十分に恩返しはできなかった。
でも、弱い立場にあった自分にしてくれたことへの恩返しを間接的にしようと考えていた」とよく語っていました。
万次郎は決して過去の人ではなく、私たちに、問いかけ、語りかけ、励ましてくれています。
(聞き手・池田伸壹)