>>243
あむりっす

 魔物を遠目に鑑定で分析すると、敵陣の中央に配置されているのは、僕がダンジョンで交戦したことのあるミドルオークやミドルトロールの上位種だった。
 ハイオークとハイトロールだ。

 僕が戦ったことのあるミドルトロールでもかなりの攻撃力を誇っていたが、その上位種ともなると突破力と破壊力にすぐれているのは自明の理である。
 巨体から繰り出される棍棒こんぼうの攻撃は、やすやすと人を吹っ飛ばす威力を持つ。

 そして、左翼と右翼を固めるのはペガサスナイトやサジタリウスといった機動力に優れた兵士であった。
 ペガサスナイトは神馬しんめに騎乗して戦う飛行可能な騎兵であり、サジタリウスは頭は蛇のようになっていて下半身が馬の魔物だ。

 厚い重歩兵の敵兵中央に比べて、左翼と右翼の騎兵の戦力はやや少ない。
 敵の布陣を見れば、強力な重厚歩兵でもって、中央突破を図っているのが手に取るように分かった。