「僕にはあります。あの魔物の軍勢を前に、勝利の絵を描く力がある」
「勝算は?」
「僕の読みどおりに戦局が動いてくれれば、九割ほどで」

 中央が防戦でもちこたえている隙に、こちらの精鋭部隊の右翼と左翼が敵両翼を突破。
 そのまま敵中央の真横と背後につき、包囲網を完成させる。

 包囲殲滅陣ほういせんめつじん。
 これが、僕が描いた勝利の絵だった。

 戦型を整え、迎え撃つ準備を整える。
 そして後方で情報収集の担当をしていた後方支援職が、戦況分析の声をあげる。

「彼我の戦力差、出ました! 人間軍、およそ300。魔物軍、およそ5000!」