ザビーネには王子から寄贈された莫大な遺産があった(王子はそれを事前に遺言状に書き記していた)
彼女は母と姉たちに言った。結晶にはもう困らないのですから、そろそろ。彼女たちはそれを聞き入れなかった
まさに文字通り、盛りのついた妖猫のそのままの卑しさをあらわにし、彼女を痛罵した
「貴女の尻穴に注がれた結晶など割りたくありません」とまで彼女等は言った。ザビーネは、王子の遺産、その半分を家産として残すと、家族を捨てた
家から受け取ったものはシャルの家名と妹の身柄だけであった