随分と喧嘩腰だな……。
俺を誰だと思っている! と口から出そうになった。
「はい、出来ますよ」
と言って俺は入口で待たせているユニコーンを指さした。
ギルドマスターは外に停まっているユニコーンに初めて気が付いたのだろうか。
狼狽した様子で立ち上がった。
「坊主……お前が召喚したとは思えないのだが……自分が幻獣を召喚した事を証明できるのか?」
やれやれ……面倒な男だ。
俺はただ素材を買いたいと言っているだけなのに。
こういう時に力を発揮するのはギルドカードだ。
「俺は幻魔獣の召喚士 サシャ・ボリンガーだ」
と言って俺は自分のギルドカードを見せた。
『幻魔獣の召喚士 LV90 サシャ・ボリンガー』
俺のギルドカードを見ると、ギルドマスターは腰を抜かした。
「し……失礼しましたぁぁ!!!!!!」
大急ぎでギルドマスターは頭を下げた。
さっきまでは俺に対して舐め切った態度をとっていたのに、俺の身分を知るや否や、態度を180度変える。
こういう人間はいくらでも見てきた。
「頭をあげなさい」
俺はギルドマスターに声を掛けた。
俺は別に喧嘩をしに来た訳でもないし、相手を恐縮させるために来た訳でもない。