>>880
 どう考えても長身の男が勝つだろう。奴隷同士に殺し合いをさせるなんて、許して良い事ではない。
 どうにかして奴隷制度を崩壊させる方法はないだろうか。

「私なら好きな方を勝たせられるわよ。私のマジックドレインを使えば、相手の魔力を吸収して弱らせる事が出来る……」
「好きな方を……?」

 どちらでも勝たせられるのなら、俺は貧弱な奴隷に勝って欲しいと思う。


イカサマで長身の奴隷を殺して金をゲットする計画を発案
結果


 そろそろ勝負を仕掛けるか。俺はクーデルカに目配せをすると、彼女は小声で魔法を唱えた。
 瞬間、長身の男の動きが鈍った。魔力が枯渇する瞬間は、まるで貧血を起こした時の様な感じだ。
 狭い檻の中で動きを止める事は相手に大きなチャンスを与える事になる。貧弱な男は一瞬の隙きを見逃さなかった。地面に落としたグラディウスを拾うと、一気に距離を詰め、魔力を込めた水平斬りを男の首に放った。
 グラディウスが男の首を一撃で飛ばすと、会場は静まり返った。


 観客の中の一人が石を拾い、貧弱な男に投げつけると。観客は次々と檻の中にゴミを投げ込んだ。
俺は耐えられない程の怒りを覚えた。剣を抜き、爆発的な魔力を放出させて檻の鍵を破壊した。

「闘技会の参会者ではない外野が、奴隷を傷つけるとはどういう事ですか? これ以上の暴挙は許しませんよ」


外野からイカサマして奴隷の首チョンパの手助けをした男の台詞
※長身の奴隷に関してはほぼ描写がなく、悪人かどうかも不明