>>306
乾いた音が聞こえ、地響きと共にボアが倒れる。
近付いて見れば、綺麗に急所が撃ち抜かれていた。
これだけの技量を持つ銃師は、俺の知る限り一人だけだ。
「……エイミー……」
かつて尻の毛までむしり盗られた小さな商人の姿が脳裏を過る。
思いがけなく復讐の機会が与えられた事に、俺は神への感謝と共に笑みを浮かべた。
――王子……割るのです……――