【解説】そもそも視聴率とは民間企業のための営業ツールだ。民放なので、
スポンサーが求める視聴者層を狙うことは当然だろう。本来は、視聴者にはあまり関係ない数字なのだ。

だが、時代は家族から個人となり、ネット広告費がテレビを上回ったのは
19年のこと。ネットフリックスやアマゾンプライムビデオなど、民放にとっては従来のケーブルテレビやCSに加えて競合も増えた。

だからこそコア視聴率なる数字も活用されている。民放は生き残るために
必死なのだ。ただ、仮にこのコアが13歳から49歳までとすると、総務省が
発表している人口推計から計算すると、実に約56%以上もの人がコア層
からはじかれることになる。

忘れてならないのは、電波は国民の財産だということ。ネットインフラの
整備が進んだとはいえ、電波は大量のデータを1度にあまねく広く伝え
ることが可能だ。NHKも含めて、民放局は電波利用料を国に支払ってはいるが、キー局でも金額は数億円で、100億円以上を負担する携帯事業者と比べると格安だ。それは、
放送局は報道機関であり、放送文化を担っているから。コア視聴率の議論の
際には、この点を忘れないで欲しい。