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右塔フ菓子20
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0001実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/09/09(月) 08:50:51.220
このスレ内で語られる内容は完全なフィクションです。
実在の個人及び団体とは一切関係ありません。

 ∩ ∩
(`皿´) <なんだよwおいでw
./σ ヽσ  
(し′/し′
.\\\
 。\\\
 +///+ 
゚///+゚。
(_)_)゚
0016実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/09/15(日) 13:52:31.900
「なに」
「匂い」
「ああ、桃の」
「美味そう?」
「うん?」
「俺も、美味そう?」
 美味そうだよ。
 彼はそう言ってナイフを握ったままの俺の手首を取る。寄せられて、舌が伸
ばされる。
 赤く尖らせた舌が、俺の腕を。舐める。
「……甘い?」
「ウエノの味がする」
「桃の汁だよ」
「ウエノの肌の、味がする」
 いいな、と俺は答える。
 俺にも味あわせて。
 俺には、あんたの肌のがいい。

 包丁は持たない、と言うアベ君に、剥いた最後の桃のひと欠片を渡した。口
に入れてやらなかったので、意図を察したのだろう。俺がナイフと種をテーブ
ルに乗せ終わるのを待って、こちらの口に近付ける。
「あーん、ウエノ」
「あーん、って。なんかな」
「ウエノっぽい?」
「俺?」
「ウエノはいつも、オレをそんな感じで甘やかす、」
 ……気がする。
 アベ君の語尾は桃の香りがする。
 口の中に常温の桃がすべり込む。甘い香りが鼻に抜ける。アベ君の指をその
まま舐めた。軽く歯を立てると、彼は笑った。
「オレは食えないよ」
「食っちゃいたいほど可愛いよ」
「や、オレは可愛くないだろう」
そんなこともないんだけれど。俺の目にはこの細く黒い、長身の男が可愛く
て仕方なく映る。
「じゃあ、食いたくなるほど好き」
 どっちの意味でだよ、とアベ君が言う。
 どっちの意味でもだよ、と俺は答える。
0017実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/09/15(日) 15:52:08.240
 彼は俺の桃に濡れた手を取って、丁寧に舐めていく。伸ばされた舌の、ぬる
りとした感触。この舌が俺の口の中で暴れたり、俺のものにおずおずと絡んだ
り、喘いで軽く開いた口からそっと覗いたりする。それを、俺はよく知ってい
る。
 同じように、アベ君が、俺の舌がどれほど丁寧に彼を味わっているのか、い
つも、いつも、細胞に染み込ませるように記憶したがっているのかを、知って
いればいい。知らなくても、いい。多分、知らないだろう。
 愛されることに溺れて欲しい、ゼリーの海でもがいても沈んでいくしかない
ように、俺の愛で溺れて。窒息して。俺がいなければ生きていけないくらい、
沈み込んで、呼吸も忘れるくらい。溺れて、溺れて、溺れて。
 なんて。
 言わない。
 俺はけして言わない。
 それは誰にも秘密の欲望、口にしてしまえば格好悪くなる、俺は大好きで大
切な彼に逃げ場をきちんと与えてあげたい、這いつくばってまですがりつきた
い俺の気持ちは、それはまた別の問題で。
 もしも彼が俺以外の誰かを愛することがあるのなら、いつだって鳥かごの鍵
は開けておいてやりたいと思う。
 それがただのやせ我慢であっても。
 恰好つけた負け犬の強がりであっても。
 俺は。
 俺、は。
「ウエノ?」
「……あ、」
「なにぼけっとしてんだよ、オレの舌使いはそんなに上手いかよ」
「ああ、うん、上手い。上手いよ」
「……ムカつくなあ、お前。くそう、桃の汁結構べたつくもんだな、どうする、
もう一回、」
「もう一回、する?」
「……なんでそうなるんだよ、シャワー浴びるかって話だっての」
 浴びる。
 言いながら俺はアベ君の腕を取る。
 桃の香りがする指を丁寧に舐めてやる。人差し指、第二関節の辺りにくちづ
けて、舌を這わせる。親指を、アベ君のものでもしゃぶるかのように音を立て
て口の中で弄ぶ。
0018実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/09/15(日) 16:28:44.700
「……やめろよ」
「その気になるから?」
「……なんかお前、泣きそうだから」
「泣き……そう?」
 桃が甘すぎたな、とアベ君が小さくあくびをした。
 甘すぎたから、きっとなんだか泣きたくなったんだろ。
「そんなもん?」
「そんなもん。やっぱシャワー面倒」
「うん」
「舐めて」
「え?」
「ウエノが舐めて、全部キレイにして。オレ、そんで寝る」
 人の家のソファだと思って、べたつくのなんてどうでもいいんだろうと言っ
てやったら、猫みたいな顔をして笑った。口角が上がる、機嫌がいいときにだ
け見せる、目尻の下がった猫。
「ウエノ」
「なに」
「好きだ」
「……なに、」
「桃が甘かったから口がすべった」
 俺はアベ君の手を取って指を絡ませる。舐めてやんないといけないのはオレ
の方だったか、とおどける彼の、その唇にくちづけを落とす。
 俺も好き。
 あんたのことが。
 俺も、好き。
 桃の香りが空間を満たす、俺とアベ君の間の空気はきっと薄ピンクのそれに
染まってしまって甘くべとつく。
 うん、と。
 頷いて、俺がもしも泣きそうだとしたらそれはあんたを好き過ぎるせいだよ、
という言葉を口にしないまま、ただもっと深くくちづけた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
お粗末さまでした。
0020実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/09/19(木) 20:45:59.770
本日中秋の名月ですね。ってことで。
――――――――――――――――――――――――――――
 月がオレを追いかけてくるから。
 だったら逆に月を追いかけてやろうと。
 そう思ってただ夜を歩いた、明るすぎる月光が星達を巻き込んで見えないは
ずの雲のふちなんかを白く浮かび上がらせている、暗闇ではない夜を。
 あの浮かび上がる雲のふちを見ていると、小さな頃作ってもらったホットケ
ーキを思い出す。店で出てくるようなふっくらしたものではなく、母親が小麦
粉と砂糖と卵と牛乳あたりを適当に混ぜてフライパンで焼いたやつ。焦がした
バターでふちがカリカリになる、あの薄っぺらい甘さの。
 月の野郎を追いかけていたのにオレの足はなぜだか知っている通りを歩いて、
気がつけば茶色い髪をした男が住むよく知ったマンション前に出る。
 なんだよそれは、と思うのに月は冷たく笑って、つかまえてごらんよ、とで
も言うように空の高いところに引っかかっている。だからオレも高いところに
行かなきゃならない気がして、階段を上った。

「……で? 月についてきたら俺んとこに着いたって?」
 なんだよそれ、と呆れた口調ながらも唇が持ち上がってしまっているウエノ
がオレを招き入れる。
 日中雨がすごかったからね、と奴が言う。
「随分涼しくなっちゃってるから、ビールじゃなくてコーヒーでも淹れたげよ
っか」
 オレはなにやら注ぐような手付きをしたウエノの手首を黙って握った。
「アベ君?」
「……むかつくから」
「なにが?」
「あれ、取ってくれよ」
 空いている手の人差し指でくっきりと指した満月に近い月。
 無理難題を言っているのは百も承知で、ただなんだかこのままだとオレがウ
エノに会いたかっただけみたいになっているのがどこか腹立たしくて、それで
そんな我儘を言ってみる。
0021実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/09/19(木) 21:08:55.480
 月? 
 ウエノはさすがに困ったような声を上げて、そしてオレの溜飲を軽く下げさ
せる。
 こいつにもできないことがあるんだ。 
 あんたの我儘は何でも叶えてあげたいんだよ、なんていつでも余裕のある笑
顔しか見せないこいつにも。
 オレばっかりが好きみたいで時々苦しくなる、オレばっかりが甘やかされて
いるのはこっちがウエノを好き過ぎてギリギリだからじゃないかといつでも思
わされる。
 好き、の度合いが高ければ高いほど胸が痛むのは、きっと第三者にはっきり
と恋人として紹介し合えない仲だからなのかもしれない。
 だって、口に出さなかった片想いはどこへ行く?
 秘密の恋人同士が誰も関係を知らないままふたりの仲を冷やしてしまったら、
そこにあったはずの恋はなかったものになってしまわないか?
 存在しているのに、存在しないもの。
 誰かが知っていてくれなければ、当事者同士が忘れようと心に決めた時点で
薄れて消えてしまう恋。あったのに、なかったことになってしまう、それが。
 怖い?
 怖い。
 保障がないということが。
 こんなに心細いとは知らなかった。
 たとえば茶色い枠のただの紙切れだとか。金ばかり掛かるアホみたいなお披
露目式だとか。
 
「アベ君?」
「……いや、悪い、なんかちょっと考えすぎっていうか、ここんとこ上手く眠
れてなくて、頭悪くなってんだ」
「あ、ねえ、月欲しいんだろ? ちょっとおいで」
 は? と聞き返したオレの手を引いて、ウエノは流しに向かう。何事かと思
っていれば、でかい鍋を取り出して水を張った。
「はいよ、悪いけどベランダの鍵開けてくんない?」
「……は?」
 分からないながらも言われたとおりにしたら、今度は外に出ろと言われた。
それも素直に従うと、ウエノも続いてベランダの外へ出る。
0022実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/09/19(木) 21:49:23.770
「こっちじゃないな」
「おい」
「ちょっとアベ君そっち寄って」
「なにしてんだよ」
「いいから、あ、よしよし、ほら鍋覗いてみ?」
 言われて素直に覗いてみる。小さく波打つぎざぎざした水面に、ゆらりとゆ
らいで月が。浮かぶ。
「あ、」
「さ、お月さん捕まえたから、あとはアベ君が好きにしな」
「……なんだよ、お前」
「うん?」
「くそう、なんだよ、もう、なんなんだよ!」
 アベ君? とウエノの不思議そうな、それでいて恐る恐るといった感じの声
がオレの名を呼ぶ。
 もう月なんて要らねえ、と言ってみれば、拗ねているだけだと分かっている
だろうにウエノはベランダの柵越しに鍋の水を一度にこぼした。
「……あ、」
 少し遅れて、ばしゃり、という音が聞こえる。
「はいよ、お月さん逃がした。寒いから中入るか、コーヒー淹れるからさ。ア
ベ君眠れないんだったら泊まっていきなよ。俺、アベ君の睡眠導入剤だからな」
 水滴の滴る、ひっくり返したままの鍋の底をぽんぽんと叩いて、ウエノは室
内にオレを促す。絶対に自分から先に入ったりしない。絶対オレを優先する。 
 ごめん、と小さな小さな声で言って、俺はウエノのシャツの裾を掴んだ。
「どうしたの」
「……ごめん」
「月は要らなかった?」
「……月なんて、どうでも良かった、オレ、お前に会いたかった」
 うん、とウエノが頷くと同時に鍋は落とされて、そして奴の腕は伸びてきて
オレのことを抱きしめる。ガランガラン、クワンクワンクワン、と鍋が苛立っ
た音を引きずって立てる。
0023実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/09/19(木) 23:37:35.860
「……会いたかった」
「いつだって会いにくれば良いじゃん」
「でも、オレばっかお前の家に来てて、なんか、オレばっか、お前のこと、好
きみたいで、」
 言葉が頭を経由しないで勝手にこぼれる、そのせいかなんだか涙腺がじわり
と緩められて視界がにじみはじめる。なに言ってんの、オレ。なに女みたいな
こと口にしちゃってんの。
 恥ずかしくなって逃げようと思ったけど、ウエノの腕は簡単にオレを放して
くれたりしない。どうせ逃げられないなら、とオレはウエノの背中に手を回し
た。ぎゅっ、と力を込めて、奴の首筋に自分の顔を押し付ける。体重を、かけ
る。
「アベ君、好きだよ?」
 知ってる。
 お前がオレのこと、好きでいてくれるのは知ってる。でも、それってどれぐ
らいの「好き」? そんなことを聞いてみてしまいたくなるくらい、オレはウ
エノが好きで仕方ないってことなんだろうか。眠れない夜の半分はお前のせい
だよと言ってみてもいいものだろうか。
「……アベ君?」
「うるせえ」
 もっと。もっとうるさくして欲しい。もっと、もっと、好きだとずっと、言
い続けて欲しい。
「……泊まってく」
「うん、俺アベ君寝かしたげるから」
 不意にウエノの腕が緩んだから、オレは顔を顔を上げた。ウエノの首筋に頬
を押し当てるために軽く曲げていた膝も伸ばそうとしたけれど、それは叶わな
かった。
 奴が、くちづけてきたから。
「……アベ君、」 
 唇に触れて、触れて、ただ触れるだけの繰り返し、その合間にウエノはオレ
の名前を呼ぶ。
 うん、と返事をしながら、オレは目を閉じた。
 ああそうだ、後でウエノにホットケーキでも焼いてもらうことにしよう。
 今日の月みたいに丸いやつ。そしてふたりで食うんだ。
 どんな味がしてもオレは甘いって言うことに決めた、それでもう一回ウエノ
がキスしてくれるのを待っていた。
0028実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/09/26(木) 18:23:33.770
磔磔のDVD家に届いたんだけど、なんだか見るのこわいんだよね
フトツは笑ってないの?
かっこいい?かわいい?エロい?
0029実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/09/26(木) 21:45:30.87O
フトシ格好いいよ! でも怒ってるみたいな顔のが多い気がする…
エラさんがベースキスしたりにこにこしてる場面が多い気がするから、対比の問題なんかな…
0030実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/09/26(木) 22:45:34.140
わりと挑戦的な表情が多かったね
ただ自分は色気的には
汗もかかずにギター弾いてる

胸元のボタン開いた

アンコールで腕捲り
の過程でやられた…
フトツ胸板薄すぎ…orz
0031実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/09/27(金) 08:58:35.390
ああもう、本当にあの腕まくりは・・・!
最初から半袖なのより萌えるのはなんでだろう、フトシ可愛いよ
開いたシャツから覗く胸元、チラリズムだよ、フトシ・・・!

ラストツアーだからなのか、気のせいなのか、淋しい感じの
顔にも見えるのが、萌えるんだけど切ないよ、フトシ・・・
0032実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/09/27(金) 13:03:05.220
腕まくりはヤバいよ!
ほっそい腕なのに、ギターを弾くためだけにある筋肉の盛り上がりなんか確認しちゃうともう…!
0036実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/10/04(金) 10:46:16.150
SHIBUYA RIOT初日行ってきた
展示物の写真撮影OKだったんだが
後で撮った写真見たらフトツ関連の写真がすごく多くて
我ながら好きだなあと笑ってしまった
YOYOGIの映像がずっと流れてたんだけど
あの時のアベくんほんと格好いいな〜
0037実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/10/04(金) 11:33:39.930
>>36さん
展示物撮影OKなんですか!
嬉しい情報をありがとうございます!

うわーい来週行けそうだから、田舎からのこのこ出かけるw
ラグランとか欲しいけど、サイズは小さめなんだろうか、
大きいんだろうか…あー、楽しみ!
0038実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/10/04(金) 20:33:46.380
渋谷暴動2日目行ってきた
今日の上映コーナーはデビュー2ヶ月目と97年のライブ映像だったよ
何度来ても楽しめるように日替わりか数本ローテーションなのかも
短髪でキレキレな演奏かつ脚蹴り上げたりアクション大目なフトシ可愛かった
0040実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/10/04(金) 21:28:33.81O
今日行ってきた!
アベのアンプセッティングは本番もあれなのかな?
それにしても5号機綺麗なままだった

会報読めると思ってなかったしひよこ時期が拝めてよかった!
年賀状…!
上演も若いフトツの笑顔がたまらんかったです
0041実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/10/05(土) 15:33:25.300
>>37
二日目の昼過ぎに行ったらラグランはSサイズしか残ってなかった。
サイトのグッズ情報ではS/M/Lと書かれてるけど、実際はXS/S/M。
Sだと156cm細身の私にはぶかぶか、萌え袖になるから諦めたよ…
最近の商魂逞しさからすると会期終了後に通販しそうな気がするから期待してる
0043実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/10/05(土) 22:46:16.04O
店員さんに聞いたらいつになるか分からないけどTシャツは再入荷するから大丈夫
電話で問い合わせてくれれば取り置きは出来ないけど確認は出来るよ
0044実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/10/08(火) 11:37:56.790
ふおおおお、みんなRIOT行ってんのねー
田舎暮らしには羨ましい…
ああどうかやっと行ける体育の日にはTシャツ再入荷してますように!
どうでもいいけど、「体育の日」ってミッシェルに似合わんなーw
あ、でもキュウちゃんとかラグビー部か
フトツも野球やってたんだもんなぁ
0045実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/10/09(水) 18:31:33.590
自分東京なのにすっかり出遅れてる!
週末行くけど混んでるかな

最近TVでいっぱいミセル特集やってて当然すべて見てるけど、
あれから10年も経ったんだと思うとしみじみしちゃう
でもフトツ愛は何も変わってない(キリッ
0049実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/10/16(水) 09:18:45.520
やっとRIOT行ってきたよー、うっはー、フトシ! 
美人フトシ写真とかでいっぱいいたけど、やっぱ
ギターばっかに目が奪われた
0052実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/10/22(火) 15:58:10.590
ほんとひどい事するヤツいるよなあ…
自分はアンプの上にパラパラ置いてあったドクロのピックが欲しくてたまらんかった!
0053実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/10/23(水) 11:55:26.340
自分もあの髑髏ピック欲しかった! 空気を読まず投下ですみません。
―――――――――――――――――――――――――――――
 ライブ後の興奮冷めやらぬ、余韻と呼ぶにはあまりにもねっとりと熱すぎる
空気を引きずったままのアベ君が、俺を便所に引っ張り込んだ。
 汗だくで肌に張り付いた黒いシャツもそのままに、ほとんど放り込まれるよ
うに個室へ突っ込まれて後ろ手に鍵を閉められる。怒ったような顔をして、ア
ベ君の第二ボタンまでしか外されていないはずのシャツは肩がずれて鎖骨の終
わりが覗いていた。
 立ち昇るのは、目に見える熱気。それは汗で濡れている肌から白く昇る。
 アベ君の目がぎらぎらとした光を放つ。そのくせ、潤んで細められるのだ。
まっすぐに見つめられて、俺は思わずへその上までボタンを外していたシャツ
をかき合わせようとした。
 のに。
 その手はアベ君によって払われる。
「なに、すんだよっ、」
「――ウエノ、」
 首を竦めたくなるような低く艶のある声。それは威圧ではなく、腰の辺りに
熱を集めてしまう、耳障りのいい声で。
「――ウエノ、」
「なんだよ、着替えてもないだろ、なにしてんだよ、ほら、楽屋、」
「やだ」
「やだ、って、なにがだよ。ほら、――ちょっ、なにしてんの!」
 結局開いたままになっているシャツに、右手をそろりと進入させてアベ君が
一歩踏み出す。狭い個室の中で、俺は後ずさりしようとして叶わなかった。ふ
たを閉めてあった便器にかかとをぶつけ、そのまま尻もちをつくように腰掛け
る形になる。
 俺が座り込んだので、彼の手はそのまま胸を撫で上げる恰好になった。胸の
突起にギターを弾く硬い指先がかすめて、つい息が漏れてしまう。
0054実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/10/23(水) 12:02:24.810
「――っく、」
「ウエノ、」
 アベ君が俺の前で片膝をついた。
 なにしてんだよ便所だぞおい、の声が出せなかったのは、そのままアベ君が
抱きついてきたからだ。はだけている肌の、汗をかいて濡れているのも構わず
唇をつけてきて、舐める。
「ちょっ、」
「ウエノ、」
「アベ君、なにしてんだって、」
「――ウエノ、」
「俺の名前安売りすんなよ、アベ君?」
「もう、オレ――」
 無理、とアベ君が顔を上げた。視線がぶつかって、うるんだ瞳が欲望の深さ
を色で示している。発情しているオスの、けれど誘っているメスの、顔。
「欲しくてたまんない、」
「アベ君……?」
 あ、と思ったときには、残りふたつのボタンがシャツを思い切り左右に引っ
張られたことによって千切れて飛んだ。便所のタイルに、かつん、と微かな音
をさせて、それはどこかへ転がったらしい。
「ダメ、もう我慢ならねえ、なんか分かんない、ウエノ、オレ身体が、」
 熱い。
 かすれる声は色づいていて、どうしようもない艶を含む。
 伸び上がるようにして彼は俺の唇を奪う。触れたと認識する前にこじ開けら
れて、口内をアベ君の長い舌が暴れる。吐く息も、吸う息もすべて奪い尽くす。
「アベ……、」
 鼻で呼吸をすればいいと気付いたからといって、酸欠に喘ぐ肺をなだめるた
めに切り替えるには遅すぎて、俺は夢中でアベ君の身体を押しやって離そうと
していた。空気が欲しくて内臓が悲鳴を上げる。キスのひとつで。肺が、心臓
が、普段意識した事もない臓器が自分の存在を声高に主張する。
「離し……、」
 人工物の甘ったるい金木犀の匂い。
 芳香剤の、毒々しい香り。
0055実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/10/23(水) 14:43:20.790
 ち、と小さく舌打ちされて唇は離された、薄い唇は歪められていて、苦しそ
うに眉が寄せられている。上気した肌。汗をかいているのに、べとつくことは
なく、それはただ水を浴びただけのように感じる彼の肌が不思議で。そんなこ
とを思っている余裕は、ないはずなのに。
「ウエノ、」
 そういえばこの人はなんで今日のライブであんなに興奮していたんだろう。
 インストアの、客席はやたらと近く、ハコは小さすぎて熱すぎた。俺がベー
スのネックを舐めたり腰を揺らすのは普段のパフォーマンスとしても、どちら
かといえば激しくてもそういった色気を出す役割ではない彼までも、ひどく艶
かしい顔で、身体で、挑発するというよりは明らかに誘っているような動きを
していた気がする。
 ちらりと横目で見ただけでそれだったのだから、演奏中ずっと発情していた
のかもしれない。
 発情。
 ああ。
 この人は発情しているのか。
「アベ君、もしかして――、」
 言葉の先を待たないうちにアベ君は俺のはだけた胸にむしゃぶりつく。ざら
りと乳首を舐めて、前歯で軽く噛んで、唇を押し当てて、吸う。強く。
「ちょっ……あっ、」
 吸いながらもすりつぶすようにギリギリと胸の突起は噛み締められて、痛み
と快楽を交替させるかのような強弱をつけられるから、俺から甘い声だけが漏
れた。
 脇腹に触れた手はすぐに背中へと回され、確かめるように撫でられる。背骨
に沿って撫で上げられ、また下がる、ぞくぞくと肌があわ立つ。
「ウエノ、ウエノ、ウエノ……、」
 切羽詰った声。
 ふと顔を上げた彼の、さっきよりもっと濡れた目が俺を下から覗き込む。
「突っ込んでくれよ……、」
「なんでそんなに発情してんの」
「分かんねえ……、」
 自分でシャツのボタンを外そうとして、汗を吸った生地はボタンホールをき
つくしているらしく、アベ君が焦れたような手付きになる。それを制して、俺
は便器から立ち上がり、彼のことも立たせてボタンへと手を伸ばした。
0056実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/10/23(水) 15:04:15.880
「こんなとこで?」
 濡れてもまだ涼しい印象を与える、黒い髪を揺らして彼が頷く。
「あいつらなにしてんだ、って、チバもキュウもスタッフもみんな捜してるか
もよ?」
「我慢、できねえんだよ……!」
「アベ君はどうしてそんなに可愛いことを言うの」
「可愛いとかそんなこと、」
 言うんじゃねえ、と焦れたように叫ぼうとしたのだろう、その口を俺は自分
の唇でふさいでしまう。

 膝の辺りまで下着ごとズボンを下ろして、便器のふたの冷たさを尻で感じて
いた。
 俺の股間に顔を埋めて、アベ君が俺のものを口内で弄んでいる。いや、弄ぶ
という余裕のあるものではなさそうだ。サオの部分を下から上へと舐め上げて、
根元を握り込んで扱く。なぶられているのは俺なのに、アベ君から甘い息はこ
ぼれる。
 潤滑油代わりにためられた唾液が、じゅるり、ぐじゅりと湿って濁った音を
立てる。くびれに軽く歯を立てられて、唇が先端を包み込む。次の瞬間、ずる
りと奥まで咥え込まれて、俺の腰が揺れる。
「……汗くさいだろ」
 アベ君が俺を咥えたまま首を横に振った。
「しょっぱくねえ?」
 ふるりと、また。
「俺もしてあげようか」
 反射のように首を横に振ろうとしていた彼が、動きを止めて顔を上げる。
 自分より若干とはいえ背の高い男に、今日はなぜだか見上げられてばかりい
る。
 今度は小さく頷かれたから、立って、と言ってやる。素直に言うことを聞く
彼の、ベルトに手をかけてバックルを外す、もう布越しにも大きくなっている
のがはっきりと分かるアベ君のもの、その輪郭を強くなぞるように刺激すれば、
途端に大きく息を吐かれた。
0057実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/10/23(水) 15:23:54.110
「触っただけなのに?」
「ダメ、」
「しかもまだ、直接じゃないのに?」
「ウエノ、オレ、」
「舐めてやるから、自分で下ろしな?」
 見上げる形になった彼は俺を見ずに視線を床の辺りに落とした。朱の走る頬
は、恥ずかしがっているのか欲情のためなのか、その両方なのか。
 長い指が震えるようにチャックを下ろして、乱暴な手付きで下着ごと太もも
の辺りまで引きずり下ろす。すでに腹へとつきそうなほど勃ち上がっている彼
のものに手をかければ、その身体が大きく跳ねるようにびくつく。腰を抱いて
逃げるのを許さず、俺はアベ君の陰茎を口に含んだ。
 顔を前後に動かして、唇をすぼめて、途中サオにやわらかく歯を立てる。奥
歯で噛むように。
「あっ、……あっ、く、……ウエ、ノ、……ん、」
「声出すなよ、聞こえたらまずいから」
 わざと意地悪く言えば、きっと唇を噛み締めたのだろう、荒い息遣いに変わ
ってそれは狭い個室を充満させた。
 本当は彼の色づいた声が好きなんだけど。
 ああ、こんなところじゃなくて、せめてベッドの上だったら。俺の部屋でも、
ホテルでもなんでもいいけど。そうしたら、好きなだけ鳴かせてやれるのに。
「んっ、んっ……んっ、」
 我慢ならなくなったのか、アベ君が自分から腰を振り出す。口の中で硬さが
増す、なぶっているのはこちらだというのに、犯されている気分になる、それ
が俺を興奮させる。
「アベ君は淫乱な腰つきするねえ」
 根元を握り込んで口を離すと、や、とアベ君の声が降った。
 やめないで、なのか。そんなことを言うな、という抗議なのか。
「イキたい?」
「分かん、ね……、」
「どうして、自分のことでしょ?」
「分かん、ねえ、ウエノ、身体……身体熱くて……、」
「口でイク?」
0058実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/10/23(水) 18:44:22.100
 見上げればアベ君が首をゆるゆると横に振るのが見える。強めに扱きながら、
それでも速度を緩めてイケないように意地悪していたはずなのに。
「あっ、ウエノ、だ、だめだっ、ウエノ――!」
 自分から腰を振るスピードを上げてしまったアベ君が、俺の肩に手を置いて
吠える。力を込められて、爪でも立てられているんじゃないかと思うような痛
みに気を取られる間もなく、彼が達した。
 思わず目を閉じるのとそう変わらないタイミングで、口の辺りに生ぬるいも
のがぶちまけられる。
「……まさかの顔射」
笑ってやろうとしたのに、瞼を透かせて影が落ちてきた。
肩に置かれた手はそのままに、アベ君が顔を近づけてくる。薄目を開けて見
れば、彼が赤い舌を伸ばしているのが見える。
「……アベ君?」
 口元を舐めて。
 頬を舐めて。
 猫みたいに、猫が腹を空かせてミルクの匂いがする人間の指を舐めるみたい
に。 
 アベ君が、自分の放ったものを、俺の顔を汚した自分のものを、舐め取る。
「なにして、」
「ウエノ……悪い、」
「悪い、って、そんなんいいよ、便所なんだからティッシュあるし、って、お
い、」
 青臭いどろりとした液体を舐めて、それは美味くもないんだろう、アベ君が
時折眉を寄せる。舐めて、顔を離して。また近付いて、舌を伸ばして。俺はほ
ぼ無意識に手を伸ばして、アベ君の頬に触れる。
「どうしたの」
「ウエノ……、」
「まだ足りない?」
 足りない、と小さな声が返った。まだ、まだ全然足りない。首を横に振りな
がら、アベ君の目がますます潤む。強烈な光を放っているはずなのに、それは
水に映る月のように揺らめく。
「……美味くないだろ、ザーメンなんて」
「ウエノはいつも飲んでんじゃん、」
「お肌のためですから」
「……マジで?」
「あ、冗談だからそんなマジな顔しないで。……おいで」
 熱が収まんないの、と聞けば、揺れるように頷く。
0059実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/10/23(水) 20:08:29.100
 唇を開いて、喘ぐように息をして。 
 身体なんてまだ繋いでもいないのに。
 彼のものになんて、今は触れていないのに。
 明らかに熱を放つ視線で、アベ君は俺を見る。欲情した男の、欲しがって身
悶える目を間近で覗き込む。深い色。切り裂いたような細い彼の目が、溺れて
いる。目尻を染めて、どうしようもなく溺れている、それを俺はこれからもっ
と深いところに沈めようとしている。
「おいで」
 腕を広げれば細い身体が待ち焦がれていたとでもいうように飛び込んできた。
それをきつく抱きしめてやる。髪に手を突っ込んで、ぐしゃぐしゃにかき混ぜ
て、耳にかじりつく。
そんなに欲情してたの。
そんなに俺が欲しかったの。
着替えるのも待ち切れないくらいに。
 耳元で囁けば、欲しがっているくせに逃げようとするからそれを阻む。
「男なんて一旦出しちまえば大抵落ち着いちまうもんなのに。アベ君、まだま
だ足りないの」
「足り、ない……」
「突っ込まれたい?」
「欲しい……」
「俺に突っ込まれて、あんあん言いたいんだ?」
「こ、声なんて、」
「腰」
 揺れてるよ。
 言いながら首筋に顔を落として舌でラインに沿って舐める。アベ君の身体が
跳ねる。歯を立てて、きつく吸おうとしてやめた。まさかここで痕をつけたら、
どこでなにをしていたんだと言われてしまう。
「――ウエノ、」
 噛めよ、と言われたけれど、できないよ、と自分でもひどくやさしいと思え
るような声で返した。それだけでアベ君は俺の背に回した腕に力を込めてくる。
ぎゅうぎゅうと抱きついてきて、俺を窒息させようとでもするかのように。
0060実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/10/23(水) 20:53:30.920
「痛いって、」
「オレ、ウエノのものにしてもらえないの?」
「……は?」
「オレにマーキングすんの、いやだ?」
 子供みたいな声。
 なんなのこの人は、あんな挑発的なギターを弾いたりするくせに、取材でも
平気で嘘ついたりしてしれっとした顔してたりするのに、なんでこんなに俺に
対してだけいっぱいいっぱいなの。余裕がないの。なんなの、この可愛い人は。
 胸にあたたかいものが満ちてあふれる。
 だから俺の余裕も削られる。
 アベ君の欲望が触れ合っている肌から染み込んできて俺にも火をつけてしま
うから。
「……ぶち込んでいい?」
 俺のものが、触られてもいないのに強度を増したのを、自分でも恥ずかしい
くらいに分かってしまって、つい苦笑が漏れる。

 便器のふたに手をつかせて、足首まで着ていたものを下ろして。
 獣の体勢を取らせたアベ君の薄い尻の肉を割り開いて、潤滑油代わりになる
ものがなにもないので俺は顔を埋める。唾液くらいしかないのだから、それな
ら舐めればいいのだ。
 さっきのアベ君のを奴が舐めないでいてくれれば、使えたのに。
 そう思わないでもないけれど、でもあれはあれで随分と興奮させてくれるも
のだった。俺ですら、自分の放出したものなんて舐めたことがない。相手に飲
み込ませた後でキスをして、自分の味を知ったことくらいならあるけれど。
「ウエノ、あっ、……やっ、」
「ほら、逃げんなよ、濡らしとかないと切れて痛いのはアベ君だよ?」
 自分から濡れることはけしてない身体なのだから。
 なんでこんな面倒くさい身体を持ちながら、俺達は繋がりたくて仕方ないん
だろう。バカみたいだ。女が相手の方がよっぽど楽だ。なのに、求め合う。呼
吸をしないと死んでしまうのと同じで、俺にはアベ君が必要で、アベ君は俺を
欲しがって。
0061実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/10/23(水) 21:35:28.540
 口の中で唾液をためて、舌先に乗せてアベ君のひくつく穴に塗り込む。もう
何度も俺のものを受け入れてきたそこは、きれいな形と色をしている。けれど
俺は俺のものを受け入れて中に出された後の、閉じ切れなくてひくひくと喘ぐ
口のようにうごめいているのを見るのが、本当は一番好きだ。
 バカみたいにずるずる濡らしてから、俺はアベ君のシャツをめくる。白い肌
にくちづけて、覆いかぶさって、自分のものを握る。先走りが指先をぬるつか
せる。経験の足りない、セックスに焦っている若造みたいな自分に笑う。その
ぬめりも指先に移して、アベ君の尻の穴に塗り込む。それだけでもう彼が甘い
声を上げるから、俺は人差し指をゆるりとめり込ませる。
「あっ、……あ、あうっ、……うっ、」
「力抜いて、そう、いいこだから」
「あっ、ウエノ……、」
「まだ指一本だよ? 俺の、そこまで細くないよ?」
「し、知って、」
 る、の言葉と共に吐かれた息に合わせて、指を付け根まで押し込んだ。細い
身体が跳ねる。中をかき回して、ゆるりと捜して、アベ君のいいところを確か
めるように触れれば、さっきより濃さを増したピンク色の声が彼の唇を割る。
「ウエノっ、ウエノ、ああ――っ」
 切羽詰った甘い声。欲しい欲しいとねだって揺れる腰。
「欲しいの?」
「欲し、い、」
「まだ慣れてないでしょ」
「早、く……!」
 ふと手を回してみれば、触れた彼の陰茎がはちきれそうなほど硬くなってい
る。握り込んでゆるゆると扱けば、嫌がるように首は振られる。
「や……だ……、」
「なんで? 気持ち良くない?」
「も……入れて……」
 そんな女みたいなことを言ってアベ君が誘う。首をひねって俺を見て、早く、
早く、とかすれた声でねだる。
0062実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/10/23(水) 22:00:06.300
「なんでそんなに欲しがるの?」
「い、一緒に、イキた……、」
「さっき出したばっかなのに、もうアベ君イっちゃいそうなの?」
 がくがくと頷く彼が可愛くて。
 言うことを、なんでも叶えてあげたくなるから。
「……もっと指で慣らさなくていい?」
「い、いい……」
 ちょうだい、なんて、欲情した潤む目で懇願されたら、誰が我慢できるって
いうんだろう。
 俺は彼の背にくちづけを落としながら、自分の陰茎に手を添えて腰を突き進
める。出口でしかない、本来なら受け入れるはずでない穴を指先で開いておい
てから、自分のものをゆるりと沈める。
「あっ、――ああっ!」
「息、吐いてアベ君、」
「――ノ、ウエノ……!」
 熱い内壁が俺を絡め取る、自然と顔が歪むのは一気に背中を快感が突き抜け
るからだ。
「キツ……、」
 相変わらずの狭さに俺の唇が自然と微笑みの形を作る。ひくつく彼の陰茎に
刺激を与えつつ、俺は腰を振る。進めて、引いて。ぶつけて、逃げて。肉体の
ぶつかり合う音が、彼を、俺を、高ぶらせていく。息が荒くなる。痺れる甘さ
が末端神経まで余さず走る。
 アベ君。
 あんたの気持ちいいところ、俺は全部知りたい。
「だ、ああっ、ダメ……力、入んな……、」
 アベ君が便器の上に崩れた。
 だらしない嬌声が漏れて、慌てたように自分の指を噛むから、俺はそっとそ
れを外させる。代わりに俺の手首を口にさせる。
 大事なあんたの指を、こんなことでダメにしたら俺はどうすればいいの。
 でもアベ君はそうすると俺の手首を噛めないのだ。微かに歯を立てるくらい
で。俺の皮膚なんか、肉なんか、血なんか、身体なんか、いくらでもくれてや
るのに。気にせず喘いでくれればいいのに。噛んでくれればいいのに。
0063実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/10/23(水) 22:30:48.510
「あ、ん……、んんっ、うっ……!」
 代わりに俺の手を握って、アベ君は腰を振る。力の入らない指先が、俺の手
にすがるように絡むのがいじらしくて可愛らしくて。
「……家帰ったら、もっとうんと可愛がってあげるから」
 こんなとこでごめんね、と言ってから、俺が連れ込んだわけじゃないのを思
い出した。でももうそれはどうでもいい話だ、アベ君の発情は俺にも移ってし
まったのだから。
 揺れる腰を抱きたかったけれど、片腕はアベ君に貸しているしもうひとつの
手はアベ君のものを扱いているしで叶わなかったから、それは今夜のお楽しみ
ということにしておこう。
「俺、腕長くて良かったなあ……」
「んっ、……な、に……あ、ああ……」
 意味が分かったらしいアベ君が、荒い呼吸の合間で笑う。途切れ途切れなが
らも、言ってろバーカ、の言葉をもらったので、俺はにっこり微笑んで激しく
腰を進めた。
 もう、アベ君の口からは熱い色をした、声すら失くした喘ぐような息しか漏
れてこなくなった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
お粗末さまでした。お付き合いいただき、ありがとうございます。
0070実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/11/16(土) 10:34:38.980
フトシのフトシは、あの人とか、この人とか、やたらと上手な人とか
舐めるだけで上手にしゃぶれないあの人とか、寸止めしてばっかでフトシ
鳴かせちゃうあの人とか…

フトシー!
身体もつー!? 大丈夫ー!? …顔がにやけるね!
0080実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/12/16(月) 00:59:00.01O
お誕生日おめでとう! 47歳なんておっさんのはずなのに、いつまでもアベ君は格好いいままだよ! おめでとう! 早くこっちに帰っておいで…
0082実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/12/17(火) 09:32:59.890
昨夜のねとらじ動画放送のフトツが凄すぎた

(`皿´)「俺らホモですからね」
ミ`<_´彡「ゲイって言ってください」
(`皿´)「全員がその時の気分でいろんな組み合わせのカップルで、
だから全員兄弟」

フトツ冗談とはいえ地上波でそんな事言っちゃっていいの!?って吃驚
したよwww
0086実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2013/12/31(火) 22:04:07.60O
アベ君、今年も一年、あなたに萌えさせていただきました。来年もよろしくね。ずっと好きだわ、フトシ万歳! よいお年を!
0106実況しちゃダメ流浪の民@ピンキー2014/03/17(月) 01:29:26.60O
ペンキ屋のSSをお返ししたいんだけど、いかんせん文才が無くて‥‥orz

導入だけ投下して希望があった場合のみ続き書きますです







―――現場に到着して車から降りるとひんやりとした風が頬をかすめ、
見上げれば雲ひとつない青空が広がっていた‥‥
あの日も丁度同じような秋晴れの澄んだ朝だった‥‥

それを自らの手で真っ黒に塗りつぶして‥‥‥


―――ガッシャーンッ!!
「おい、ちゃんと持ってろよ!あぁ‥ズボンがドロドロじゃねえかよ‥‥」
同僚の声で我に返った時には、ペンキのバケツがひっくり返って辺り一面を黒く汚していた。
「すまねぇ!自分で片しとくから‥‥」

俺にはもう白く塗り替えることの出来ない過去がある
01101062014/03/19(水) 21:05:58.37O
遅くなってすまねぇw
まさか反応があるとは‥‥azs!
拙い文(しかも長くなりそう)で見づらいですがそこら辺は勘弁してください


――゛ミッシェルガンエレファント″
俺はこのバンドに心底惚れ込んでいたし、メンバーである事に強く誇りを持っていた。
もちろんこれからもずっと魂の全てを捧げるつもりでいたが

俺の気持ちとは裏腹に、チバはメンバーを避けるようになりついにその言葉を知らされた‥‥

゛解散″

けれどもそれは自分で仕向けた事でもあったのだ。
初めてチバと出会った時から、地を割るような強烈な歌声、否応無しに頭から離れない歌詞には衝撃を受け続けた。
まさに俺の理想のロックンローラー‥‥
01111062014/03/19(水) 21:09:11.72O
――今までもこれからもいちメンバーとして尊敬し接してゆく‥‥はずだった。

なのにいつしか自分の気持ちに違和感を覚えるようになった。


あの鋭い目で俺を見つめて欲しい。
俺より一回り小さくて華奢な体を抱き締めてみたい。
そしてあの薄い唇を‥‥
俺はそれから男に惚れてしまった気持ちに嘘をつき続けた。しかしバンドという心の開放と魂のぶつけ合いの場で、日々胸の苦しみに襲われ張り裂けてしまいそうだった。
本当の気持ちを隠せば隠すほどぶっきらぼうになる。それがボタンの掛け違いを産みバンドの亀裂が生まれた。

俺もメンバーも限界だった。
01131062014/03/24(月) 14:47:06.31O
――秋晴れの雲ひとつない澄んだ青色の広がっていた日に俺達は最後のライブをした。

混沌の中悲しむ間も無く、気が付けばいつも通りのライブ‥‥
轟くドラム、荒ぶるベース、耳を劈くボーカル、そして俺がギターを弾く。

たったそれだけの為に全速力で駆け抜けてきた俺たちの青春が゛世界の終わり″でとうとう幕を閉じた。

ステージを去っても鳴り止まない温かい拍手は、心なしか嘘をつき続けた俺を肯定してくれたような気がした。


――それからしばらくはギターを弾いていたが、気持ちには折り合いがつかず、
ミッシェルを解散させてしまったけじめとして、家族とは離れ音楽への情熱を一切廃するためにギターも辞めた。

久々に地元に戻って、実家から程近い昔の友人の元を20年振りに尋ねた。
そこの工務店で住み込みで塗装を手伝うことになり、
もうメンバーとの接点は完全に無くなる‥‥はずだった。
01141062014/03/24(月) 14:49:45.26O
――今日は散々な一日だった。
空を見上げたばかりに余計な事を思い出して‥‥
ペンキはひっくり返すわ、同僚に何を聞かれても上の空だわで仕事どころではなく、なんだか気疲れもしてしまった。

真っ黒に汚れた作業着を身に纏い車に乗り込むなり、親方である友人に声をかけられた。

「さっき事務から電話あって、ウエノさんってのが尋ねてきたみたいだけどさ、確かバンドの人だよね?」

‥‥なんでウエノが?特に誰にも今の仕事を教えていないのに、わざわざ調べてやってきたのだろうか‥‥

「明後日までいるっていうから呑みにでも行ったらどうだ?
明日雨だし、作業も捗らないだろうから休みにしてやるよ」

果たしてギターを辞めた今の俺が、合わせる顔なんて‥‥
ただウエノは同郷という事もあってか元々気の合う奴だし、
昔を懐かしみなんとなく、久し振りに合いたいけど‥‥

そんな心の葛藤をよそに携帯を持った手が、
独りでに事務員へ電話をかけていた。
01151062014/03/24(月) 14:51:21.48O
――「‥‥はい、じゃあ代わりますね。」

「‥‥もしもし、アベ君?突然押しかけちゃってごめん。」

このちょっと鼻声の艶のある声は‥‥

電話越しにあの軟らかい髪を白魚のような指でかきあげながら、
ふっくらとした唇で滑らかに俺を呼び
喜ぶウエノが見て取れるように分かった。


――ウエノは忙しい間を縫って、
なんとか二日間の休日を作って広島にやって来たのだと言う。
そして俺に会いたかったからと付け足した。

せっかくの帰省なのにわざわざ俺だけのために‥‥
何かよっぽどの理由があるのだろうか?

ミッシェルの解散を誰よりも悲しんだウエノの事だから、
もしかしたら俺の事を憎んで復讐するのかもしれない。

でも、だからこそ、今、あの時の全てを打ち明けなければ、
俺は一生後悔するだろう‥‥

期は熟し葛藤は弾け飛んだ。

そして翌日の正午、地元のお好み焼き屋で会う約束をした。
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