プロデューサーが語る好調の要因

 好調の原因をプロデューサーとしてどう分析しているか。ズバリそう尋ねた。

「TBSの視聴率の指標が、13〜59歳をターゲットにしたファミリーコアに変わったということとも関わっているのですが、家族みんなで見られるような、どこからでも見られる楽しい時間が続いていくということじゃないでしょか。
家族みんながほっこりできる時間というのが、日曜の20時台の生理にあっていたのではないかと思います。

 もちろん日村さんのキャラクターというのは大きい要素で、地元の人とのやりとりがすごく面白い。あんなふうに掛け合いができるのは日村さんならではでしょうね。
ゲストに応じて見せ方を変えるといった工夫も、あきられないで続いている理由のひとつだと思います」

 後の番組がドラマ日曜劇場なので、10月改編の『危険なビーナス』が始まる時期には、主演の妻夫木聡さんと吉高由里子さんがゲストに登場するなどしてきた。『半沢直樹』の出演者も『せっかくグルメ』にゲスト出演している。

 コロナ禍の中で番組も対応を迫られ、日村さんが街に出て地元の人に声をかけるというスタイルを改め、ロボットを街に置いて、日村さんがリモートで通りかかった人に呼びかけるというやり方になった。
その地元の人が勧めるお店に日村さんが交渉し、訪れるという番組だ。

「この時間帯は個人全体視聴率は『ポツンと一軒家』が健闘しているのですが、ファミリーコア層で見ると『イッテQ!』がダントツトップ。さすがにそれには及びませんが、安定した2位を保っています。
『イッテQ!』は攻める番組ですが、『せっかくグルメ』はゆったりと見てもらう番組で、それがコロナ禍の家庭の気分にあっているのかもしれません。

 スタッフも出演者も楽しんでいるし、視聴者も楽しんで見てくれているという、稀有な番組かもしれません。
一時、テレビは何か情報を出さないとダメじゃないかとか追い詰められた時期があるのですが、この番組はテレビの新しい可能性を見せてくれたような気がします」

 日本テレビの『イッテQ!』には、まだ水をあけられているが、2時間半の番組になった時には19時台は『ザ!鉄腕!DASH!!』と良い勝負。先頭ランナーが視野に入ったというところのようだ。『せっかくグルメ』の進撃はどこまで続くのだろうか。