あるネット掲示板では、こういった場合「店名を変えてほしい」という声も少なくない。しかし、店名を変えない理由はいろいろとあるようだ。
ある事情通の話によると、それは『吉原の暗黙の了解』なのだという。

オーナーが変わったり、店名を変えてリニューアルオープンすることは、法律や条例的に可能だ。
しかし、新しい名前になるということは、表面上は新しいお店となる。すると、ここで暗黙の了解が発動するそうだ。
それは「1軒目は流行らせてはいけない」ことだと事情通は教えてくれた。

つまり、たとえ鳴り物入りでオープンしたとしても、最初は出しゃばってはいけないというものだ。
そのため、店名を変えてのリニューアルオープンを行っても、大々的な宣伝などを良しとしない風潮があるという。
結果として、オープンの際に公式サイトをコッソリと立ち上げる程度という店が多くなる。
事情通いわく「体育会系に似ています。先輩がご飯を食べ終わるまで1年生はご飯を食べられない、という感じです(笑)」とのことだ。
ただ、その後、2軒目、3軒目とオープンしていくと、徐々に周囲の老舗ソープからも認められるようになるのだとか。

しかし、この場合は時間を必要とする。
そこで、すぐに利益などを生みたいと思うオーナーは、新たに店舗の権利を手に入れても、店名を変えないでサービス内容を一新する手段を取ることがあるという。
実は、現在、吉原では権利を売りに出しているソープランドが少なくないが、なかなか買い手が見つからないそうだ。
それは、このような古くからのしきたり的なものが影響しているのだろう。

いずれにしても、4年後の東京オリンピック開催に向けて、吉原には何かしらの大きな動きがあると予想される。
昔ながらの、古き良き時代を満喫するには、今しかないのかもしれない。

終わり