筆者がこの本と出合ったときの、あの衝撃。奇書と呼ぶには奇書すぎる、この本。
筆者は、この本を皆様にご紹介できる機会をようやく得られた喜びに震えている。
それが98年に発売された、辰見拓郎先生著の『自慰マニュアル』である。

この本は5人から成る「オナリンピック委員会」が様々な自慰方法を実践・紹介するという内容。
タイトルまんまの中身に映ると思うが、その自慰方法というのがキテレツすぎるというか、常軌を逸したものばかりなのだ。

まず第1章で紹介されるのが「1人風俗」。
これは端的に言えば、女装オナニーの勧めである。

しかし本書では、事細かに、微に入り細に入り、丹念に描かれている。
まずヌードの切り抜きと好きな女性の顔写真ををスキャナーで合成。
それをまず、「指名写真」とするのだ。

次にプラスチックのコップにスポンジを詰めるという、earlyTENGAの作り方も書かれている。
そして自身の女装マニュルと続くのだが、こちらも本格的。シリコンオッパイを作る過程が写真とともに掲載されている。
よくエロ雑誌の企画で「シリコンオッパイを作って本格的な女装で盛り上がろう」という記述を目にしたことはあるが、実際に作っている過程を見たことがない。
つまり、本書は「本気」なのだ。

この「1人風俗」は、大好きな愛子チャン(本書でそう設定されている)になりきり自慰行為を楽しむというものなのだが、愛子チャンになりきった中年男性が写真で登場し、順を追っていくという恐ろしい、いや、わかりやすい構成となっている。

ブラとパンティ姿の中年男性が鏡の前で己の乳をまさぐる、という写真に「キャミソールを脱がせて愛子チャンを触りまくる」というキャプション。
シリコンオッパイを付けた中年男性が快感にもだえる演技をした写真に「感触が気持ちいい〜」のキャプション。

伊達や酔狂でこれができるだろうか?
重ねて言うが、本書は「本気」なのだ。

第2章「間接的に気持ちよく」では、会社オナニーの勧めが書かれている。
美人OLのマグカップにチンコをなすりつけたり、美人OLのデスク電話の話し口にチンコをなすりつけたりの「間接フェラ」など、アグレッシブなマニュアルが紹介されている。
職を失う覚悟と、下手したら「壁の向こう側」に行く度胸を賭しての自慰行為。そりゃあもう、気絶するほど気持ちいいに決まっている。
ちなみにこちらも、すべて中年男性の写真付きで紹介されている。

また第3章「外で気持ちよく」では、電車内・映画館・国際女子マラソン(!)といったありとあらゆる野外オナニーを「ばれない装置」作成方法とともにプレゼン。
辰見先生にかかれば、この世のすべてはズリネタなのだ。

そして極めつけは、第6章の「快感のためなら何でも利用」であろう。目次の一部を見れば、明らかだ。

<動物編>
・ドジョウ
・錦鯉
・ヤリイカ
・やぶ蚊
・セミ
・カブト虫

<食べ物編>
・ラーメン
・オクラ
・レンコン
・卵白

これはほんの一部である。
使用方法が想像つくもの、つかないもの。ひとつひとつ説明したいのだが、これらは辰見先生らが命がけで集めたマニュアルである。
本書を購入して読んでいただきたい。

ただ、ひとつだけ言いたいことがある。
「ラーメン」の項には、ラーメン鉢にチンコを突っ込み、腰を振るイラストがある、そのキャプションが

“伸びたラーメンはペニスに美味しかった”

…美味しくねえわ!!

続く

以下ソース
http://nikkan-spa.jp/1241230

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