いつの時代も、恋愛に奥手な男女というものはいるもので、そうした人というのは、得てして、ちょっとした機会が掴めずに、いつまで経っても縁遠くなりがちだ。
しかしそんな恋愛下手な男女のために、かつてこの国では、「儀式」という形で恋愛の場をセッティングしていたケースも存在していたという。

「あのあたりじゃ、なんでかわからんけども、昔から純というか、奥手な子らが多くてね。
いくつになっても手ひとつ握ったこともありゃしないなんていう若いのが多かったそうだよ。
要はそういう子らに相手をあてがうというかね、そういう機会を与える習慣っていうわけ」

自身が生まれ育った山陰地方のとある地域に、かつて存在していたという、男女の色恋に関する風習についてそう語りはじめたのは、神奈川県在住の元不動産業・山本直道さん(仮名・78)。
山本さんの話によると、“ウブ”な若者たちが多かったというその地域においては、彼らを結びつけるための儀式が、昭和40年代前半まで行われていたという。

「まずね、毎年、夏の祭りの頃になると、年頃の男女で、相手のいない子らの名前が、神社の境内にね、一斉に貼り出されるわけ。
そこに名前のある男女がね、まずその年の候補になるわけなんだけども、祭りの当日になると、その子らは神社の境内に集められてね。車座に座って、目隠しをさせられるの。
すると、世話役の人らがね、目隠ししたその子らの手を引いて、男・女・男・女の順に座りなおさせる。
……で、『せーの』の掛け声で、一斉に手を伸ばしはじめて、お互いの手をつかむことができた男女はね、そのまま別室につれていかれてね、しばらくお話をするっていう。そういう儀式なんだよね」

無論、この時点では、お互いが目隠しをされたままであり、また、名前を名乗ることも許されていないことから、何ら先入観のない状態で、会話をスタートさせることになるというが、逆にそうした状況ゆえに、かえって臆せず会話をすることができ、うちとけやすくなるのだという。
そして、それぞれが相手に対して興味を持った時点で、相手に知られることなく右手を挙げ、男女双方の右手が挙げられたのを世話人が確認すると、ようやくそこで目隠しをとってもらえるのだという。

「まあ、その時点ではお互いにね、結構あれやこれやと話をしていたりするものだから、不思議と思い入れも持っているものでね。だいたいがカップル成立となるわけ。そうなったら、“あとはよろしく”ってな具合で、世話人も退座するっていう。
なにせ密室だからね、その場でおっ始める子らだっているよ。もともと機会がつくれないだけで、実際にはそれまで長年悶々としているわけなんだから(苦笑)」

お互いの姿が見えないなかで、二人だけの時間へと突入することは、双方にとって大きな博打であることは言うまでもないが、山本さんの話によると、そのカップル成立の確率はほぼ100%とのこと。

「たしかに見ようによっちゃ強引な方法だとは思うけれどもね、機会さえ用意すれば普通に関係を持てる人間だっているわけ。そういう意味じゃ、良心的だと思うけどね、私は(苦笑)」

それまでお互いのことをろくすっぽ知らない男女が、“強制マッチング”とも言うべき手法によって、一夜にして結ばれるというこの風習、当世で言うところの“草食系”と呼ばれる人々にとっては、なんとも有難い助け舟であると言えそうだ。

以下ソース
http://tocana.jp/2017/10/post_14444_entry.html

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