人工知能(AI)を利用することで、マンモグラフィ検査と生検で見つかった乳房の「高リスク病変」ががん化するかどうかを97.4%の確率で正確に予測できる可能性が新たな研究で示された。
研究を実施した米マサチューセッツ総合病院のManisha Bahl氏らは「この人工知能システムを導入すれば、不要な手術を減らすことができるかもしれない」と話している。
詳細は「Radiology」10月17日オンライン版に掲載された。

現在、マンモグラフィ検査で乳がんが疑われる病変に対しては生検が行われ、細胞に異常が認められる場合は高リスク病変と判定される。
こうした高リスク病変は実際には手術時にがん化していないことが多いが、がんの取り逃がしを避けるために必ず切除する方針の医師と、異型乳管過形成(ADH)や非浸潤性小葉がん(LCIS)などのがん化リスクが特に高い病変のみに対して切除術を行う方針の医師がいる。
しかし、前者の場合、がん化する可能性が低い病変に対しても不要な手術が行われることになり、患者への負担が大きい。
一方、後者の場合、ADHやLCIS以外の高リスク病変でがん化した場合に取り逃がしてしまう可能性が生じる。

そこでBahl氏らは今回、米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者らと共同で切除の必要な高リスク病変を見極める「機械学習モデル」を開発した。
機械学習は人工知能の一種で、過去の経験に基づいて自動的に学習し、進歩していくというシステムだ。

このモデルに生検で高リスク病変と判定され手術または2年以上の経過観察を受けた患者の計1,006病変のうち671病変について、その種類や患者の年齢など多岐にわたるリスク因子に関する情報のほか、生検結果のテキストデータなども組み込み、学習させた。
次に、残る335病変でこのモデルを用いてリスク予測を行ったところ、97.4%(38病変のうち37病変)の確率でがん化を正確に予測し、がん化しなかった高リスク病変の30.6%(297病変のうち91病変)で手術を回避できることが示された。
さらに、生検データに「severely atypical(高度の異型)」との記録があると、がんに進展するリスクが高いことも示された。

今回の研究結果を踏まえ、研究グループは「マンモグラフィの画像と病理標本のデータを機械学習モデルに組み込み、最終的には臨床に取り入れたい」との考えを示している。
また、Bahl氏は「機械学習は、不要な手術を減らす点でも、患者に多くの情報を与えるという点でも、治療の向上に役立つツールである」と話している。

一方、米ノーザン・ウェストチェスター病院のBonnie Litvack氏は全ての女性に対して「がんリスクの低い病変の特定に役立つ機械学習の存在を知っておくべきである」と呼び掛けるとともに、「女性に多くのデータを提供し、意思決定を共有するのに役立つ人工知能は楽しみな研究分野である」と付け加えている。
この研究はマンモグラフィ検査と生検のデータを元に人工知能が「高リスク病変」ががん化するかどうかの判定を判定するというものだが、最近の乳がん検査では、乳房超音波検査も行われるようになっている。

マンモグラフィは石灰化を作るがんに対して有効性が高く、乳房超音波検査はしこりを作るがんに対して有効だといわれる。
さらに40歳未満では乳房超音波検査を、40歳代になったらマンモグラフィと乳房超音波検査を毎年交互に、50歳以降では年に一度マンモグラフィと乳房超音波検査の両方をと推奨する専門医もいる。

さらに検査や治療でも大きな進歩が見られる。
手術が不要な乳がんを判定するマーカー遺伝子の発見と臨床研究が進み、検査では乳房専用PET(陽電子放射断層撮影)装置が登場し、うつぶせのまま痛みがなく検査ができるようになった。

将来的にはこうした乳房超音波検査、乳房専用PET、マンモグラフィ検査と生検など複合的なデータを解析するAIが登場し、乳がんの検査と治療は大きく変わっていきそうだ。

以下ソース
http://healthpress.jp/2017/10/post-3327.html

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