地方ではたいてい、タクシー運転手が情報通、と相場は決まっている。つい先日、所用で群馬県前橋市内のタクシーに乗車したときのことである。市内の飲み屋の話から始まって近隣都市の盛り場の話になり、風俗ならどこかという話題になった。その運転手は、ピンクならいまは太田、そして伊勢崎かなと話した。筆者もそこまでは知っている。１０年ほど前に太田を、そして取って変わる形となった伊勢崎には５、６年前、「取材」に訪れているからである。ここで簡単に群馬の風俗事情に触れておこう。
ソープランドの出店が条例で禁止されている群馬県では、埼玉県西川口発祥の"ＮＫ流"という本番行為が出来るサロン、もしくはヘルスが地元男性の熱い支持を受けていた。特にかつての太田駅南口には、ヘルス形式の本サロが軒を連ね、たいそうな人気を博していた。
しかし、その人気ぶりの為、行政に目をつけられて摘発が繰り返された結果、太田から表立っては本番プレイが出来る店舗は姿を消した。
だが、そんなことでへこたれるようなら風俗村の人間ではなく、また熱心な需要もあった。太田がダメなら隣町の伊勢崎......と、それこそ雨後のタケノコのように出店が続き、旧市内のＭ町とオートレース場のある郊外Ｍ町は本サロ銀座と呼べるほどの隆盛を誇ったのだ。
特にオートレース場近辺は土地に余裕があるため、駐車場完備のところも多く、営業が始まる昼過ぎごろから本サロ前には他県ナンバーを含めた車が列を作った。この本サロ銀座で特筆すべきは、なんと言っても社交の低年齢化だろう。なかには二十歳前後としか見えない社交も少なくなかった。また、その多くが日本人というのも、人気を博す理由でもあったのだ。
しかし、というかやはりというか、いくら郊外とは言えそこまで「悪名」を轟かせてしまうとお上も黙ってはいなかった。
５、６年前に伊勢崎市内、特にオートレース場近辺の本サロは徹底摘発を受け、事実上壊滅状態になった。本稿とは関係はないが、付け加えるならその数年前には"本家"西川口が埼玉県警の絨毯爆撃を受け、文字通り殲滅させられている。そんな情勢を知っているだけに、冒頭の女子高生が本サロに勤務する風土にはさして驚かなかった反面、「その後」に強く関心を持ったのである。
言うまでもないが、女子高生を使って買売春を行えば、業者には風俗営業法違反、売春防止法違反、青少年保護育成条例違反......等々、多大なペナルティーが待ち受けていたハズだ。また、行為の最中に踏み込まれでもしたら、買春した側（客）も淫行条例や青少年〜に引っかかるのはこれまた自明である。しかも、地元の通なら誰もが知る女子高生在籍の人気店だという。さぞかし、目をつけられていたハズだが......
「結局、摘発に合わせるように店を畳んだけど、業者も女子高生も、誰も逮捕されなかったんさね。チクりもなかった。いい塩梅で女子高生を使ってたんだろうね。遊びたい盛りの不良たちを、一軒家に自由に出入りさせて、そこに寮母みたいなんを置いてた。家の人から電話がかかってきたら、母親みたいな体で電話に出てね。そこの女子高生たち？ さあ、どこいったかは知らないね」（運転手）
よくこれで摘発されなかったものだと思う。
察するに効率よく短期に売り抜けて、さらに女子高生たちからも不満がなかったのであろう。彼女たちのその後はわからなかったが、実は群馬の本サロは形を変えて生き残りを図っている。つまり、女子高生本サロ嬢たち（とその伝統）は北関東の野に放たれたのだ。
以下ソース
http://tablo.jp/street/news002729.html
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