人工知能(AI)がもし人間と同じような心を持つようになるとしたら、AIも精神病を患うのだろうか? そんな興味深い研究が発表された。

海外オンラインメディア「The Next Web」(10日付)によると、ポルトガル・リスボンにある超領域研究所「シャンパリモー未知研究センター」のザカリー・マイネン氏が、米・ニューヨーク州で開かれたシンポジウム「Canonical Computation in Brains and Machines」において、脳内の神経伝達物質セロトニンが機械学習にも重要な意味を持つと発表。さらに、将来的にAIがうつ病に悩まされる可能性もあると指摘した。

マイネン氏によると、セロトニンは脳内の学習パラメータを更新し、変化する調整器の役割を持っているため、AIの機械学習にも応用できるものであるという。ただし、「Science」のインタビューに答えたマイネン氏は、これには副作用があると警告している。

「人間のうつ病や幻覚には脳内物質であるセロトニンが関与していることが明らかになっていますが、一方で、知性システムがより広い問題を解決することにも役立っています。ということは、いずれ機械にもセロトニンと同様の仕組みを組み込む必要になってくるでしょう。そして、セロトニンの不調が人間に起こるならば、同じことが機械でも起こると考えられます」(マイネン氏)

マウスを使った実験では、右と左に分かれた2つの道の片方に報酬として水を置き、マウスにどちらを通るか選ばせた。しばらくして、マウスが実験に慣れてきたところで、水の場所を移動したところ、あるべき場所に水がないことに驚いたマウスの脳内でセロトニンレベルが上昇したという。また、脳内でセロトニンレベルが上昇した直後に、マウスは状況を考えるかのようなそぶりを見せたそうだ。マイネン氏によると、これは、セロトニンが脳内でどのデータを選び保存し、どれほどの重要性を各データに与えるか決定していることを意味しているという。

また、マウスにセロトニンを抑制する物質を注射したところ、学習速度が有意に落ちたそうだ。これは学習にとってセロトニンが決定的に重要な役割を持つことを意味するだろう。すると、セロトニンがAI学習に大きな利益をもたらすことも容易に想像がつく。

ただ、生物学的な脳をモデルにしてAIを構築するとしても、どこまで模倣すれば良いのかという問題が残る。他の科学者からは、脳内の化学物質は不規則であり、人間の脳を模倣することは容易ではないとの批判もあるようだ。しかし、マイネン氏らは完全に模倣するわけではなく、セロトニンに似た役割を持つハイパーモデュレーターをAIに埋め込むことにより、学習中においてそれまでに学習した古いアルゴリズムに固執しないようにすれば良いと仮説を立てている。

とはいえ、そのようなモデュレーターがうつ病や幻覚などの精神疾患に似た“エラー”を引き起こす可能性は十分にある。以前トカナでもお伝えしたように、「脳で起こった急激な分子構造の変化が人類の認知能力を高めたが、副次的に統合失調症を生み出した」という研究も発表されている。高度な知性に精神病は付き物なのかもしれない。

それにしても、AIが精神病を発症したら、一体どんな抗精神薬が使われるのだろうか? まさか、うつ病に効果的といわれる幻覚剤の一種であるシロシビンだろうか……。マイネン氏らの今後の研究に期待したい。

以下ソース
http://tocana.jp/2018/04/post_16658_entry.html

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