ついに競馬の祭典・日本ダービー。新種牡馬産駒の出走もあり、血統的な興味も大きいが、牝系に注目してみるのも面白い。調教師・角居勝彦氏の週刊ポストの人気連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」より、“名牝”から“名馬”は産まれないのかについてお届けする。

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角居厩舎でダービーといえば第74回を勝ったウオッカ。牝馬としてはダービー史上3頭目、64年ぶりの偉業でした。父・タニノギムレットとともに同じオーナーで親子制覇ということでも話題をさらいました。「ダービー馬はダービー馬から」といわれますが、さすがに母と子の組み合わせはない。角居厩舎では母親とのご縁からか子ども4頭を預からせてもらいました。ウオッカの子でダービーを勝つ──それは厩舎として究極の目標です。

ウオッカの子はなぜだか馬体が大きくなる傾向にある。最初の子、ボラーレは580キロの牡馬でした。しかしスピードがワンペースになりやすく、なかなか勝てなかった。妹のケースバイケースも同じような感じで、2頭ともに未勝利を突破することなく引退。その妹タニノアーバンシーが頑張っているものの、「ウオッカの子は難しい」という印象を流布してしまったようです。

タニノフランケルは少し違いました。体重こそ500キロを越えていますがあまり手足が長くなく、2歳8月にはデビュー、2戦目で勝ち上がることができました。昇級後4戦は掲示板こそ確保するものの勝ちきれない競馬が続いていましたが、4月に待望の2勝目。京都新聞杯に挑戦しましたが、スタートのつまずきが響いて力を出し切れませんでした。

タニノフランケルが敗退したからというわけではありませんが、競馬界では昔から「名牝から名馬は産まれない」といわれたりします。

種牡馬は年に100頭以上種付けをする事もありますが、牝馬は年に1頭しか産めないので、確率的に当然ともいえます。

しかし母親の負の因果が子に巡っている可能性もあるのです。およそ四半世紀ほど前、薬品の規制がなかった時代の話です。力強く走らせるために、牝馬には男性系のホルモン剤を打っていた。筋肉量を効率的に増やす方策で、どの厩舎でも日常的にやっていた。いわば牝馬育成の常識でした。そのホルモン剤の影響が、母親になったときにどのくらいのものなのか。検証できていないんですね。規制がしっかりとしている今から思えば、ゾッとします。

つまり、強い牝馬ほど、どんどん薬物が投与される。一方、それほど競走実績が芳しくない牝馬にはあまり注射されなかった。皮肉なことに、走らなかった馬のほうが、結果的に健康な母親になり、よい子を送り出す──そういった推論です。そこで、あくまで薬物の影響かどうなのかは不明なのですが、名牝の子はあまり走らないのではないか──となったわけです。さらに一般論として、強くても早く引退して繁殖に回った牝馬は、薬物の影響が少なかったのではないかというわけです。

近年ではクラシック2冠馬ベガを母に持つアドマイヤベガ(1999年)、桜花賞馬アグネスフローラの子アグネスフライト(2000年)、エリザベス女王杯を連覇したアドマイヤグルーヴの子ドゥラメンテ(2015年)がダービー馬になっています。角居厩舎でもオークス馬シーザリオの子が、エピファネイア(菊花賞・JC)、リオンディーズ(朝日杯FS)と2頭のGI馬を生んでいます。やはり競馬はブラッドスポーツなのです。

以下ソース
https://www.news-postseven.com/archives/20180527_679151.html

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