これまで、経済的な理由のみならず心理的要因も複雑に絡み合う「女性の貧困と性」の例を紹介してきた。ハダカの価値が崩壊した女性たちはどのような末路をたどるのだろうか…。

これまで多くの貧困女性を取材してきた『デフレ化するセックス』の著者・中村淳彦氏は、「今、性産業は“普通の女性”を取り込もうと躍起になっている」と語る。

「風俗業界は女性たちの働きやすさを考えて、一般企業顔負けというくらい労働環境の改善に力を入れる店が増えてきました。しかしその結果、激安店にまでさほどレベルの低くない女性が参入してきて、体を売っても生活できない女性との格差が拡大してしまった。

生活保護に頼る女性なんてのはザラにいますし、『風俗が貧困に苦しむ女性の最後の受け皿』などというのはもう昔の話。このまま問題を放置すると、餓死する風俗嬢が現れてもおかしくはありません」

最後の受け皿になるどころか、困窮する女性たちにとって“とどめ”になりかねない。社会的な切り口で性問題の解決に取り組む、一般社団法人「ホワイトハンズ」代表理事の坂爪真吾氏いわく、「激安風俗店では働きながらうつ病や精神疾患を悪化させてしまい、大量の薬を服用しながら一日中待機場にいる女性も多い」という。

「薬の副作用で常にもうろうとしているような状態になっても、待機場で客を待ち続ける50代の女性もいます。彼女たちが自力でその状態から抜け出すことはまず不可能で、ずっと“最底辺”に居続けるしかない」

そこまでいけば、もはや客と恋愛関係になるか結婚するしか抜け出す術がないのが現状だという。

「しかし激安店の客の質はあまりいいとはいえず、仮に店を抜け出せても、DVを受けてさらなる経済的貧困に陥ってしまう女性も多い。生活保護や福祉サービスに繋いで食い止めることはできますが、根本的な解決にはなりません」(坂爪氏)

一度落ちれば再浮上もままならない。深刻さは日々増し続け、性の貧困化は歯止めなしだ。



以下ソース
https://joshi-spa.jp/749011

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