戸叶和男『日本奇習紀行』

いつの時代も、多くの若いカップルにとって、ある種の「憧れ」であり、1つの「ゴール」として位置づけられている感のある「結婚」という儀式。しかし、これまでも多くの事例をご紹介してきたように、かつての日本では、この「結婚」にまつわる“試練”が、思いのほか、数多く存在していたのである。

「さすがにこの歳になっちゃ、どうってこともないんですけどね、そりゃあ私も若い頃に結婚したときには、それはもう、憂鬱で憂鬱で……“その日”が来る直前になると、もう毎晩眠れないほどでしたよ」

自身がその若き日に結婚した際、近隣の人々によって行われたという“ある試練”についてそう振り返るのは、西日本のとある地域で生まれ育ち、現在もなお、当地で暮らしているという塚原義美さん(仮名・80)。塚原さんによると、彼が結婚した1950年代初頭、当地においては、にわかに信じ難い儀式が、“結婚前の試練”として、新郎新婦に課せられていたのだという。

「結婚が決まりますとね、その10日ほど前に、新婦だけが村の世話役のところに呼ばれるんです。要はそこで、性の手ほどきを受けるっていう……ええ、相手は大抵、村で力のある家の主人なんですが、私もそうでしたけれども、自分が嫁にもらう女がですよ、初夜よりも前に、よその男に抱かれるなんて、考えたくもないでしょう? けど、それがあの村に昔から伝わる風習でしてね。誰も逆らうことなんてできやしなかったんです」

甘い新婚生活を夢見て挙式を目前に控えた若いカップルを、まさに絶望のどん底に突き落とすためだけにあると言っても過言ではないほどに惨いこの習慣。実際、塚原さんの妻も、“その日”以降は、しばらくの間、今で言うところの「鬱」のような状態に陥ってしまい、「しばらくまともに口も利けなかった」(塚原さん)ほどであったのだという。彼女が一体どのような仕打ちをされたかは、まさに推して知るべしといったところだ。

「結局、うちの女房は、去年他界するまで、一度たりとも、“あの日のこと”について、詳しくは語りませんでしたよ。だから私も、生前は何も聞きやしなかった。けれどもね、女房があの日味わったことを思い浮かべるとね、私は今でも腸が煮えくりかえるような想いになるんです」

日本に限らず、世界各地で、こうした“初夜権”の行使に類する行為は、思いのほか、多く行われてきていることは世人が知る通り。しかし、こうした習慣が姿を消して久しい今も、その犠牲者にとっては、苦悩した日々と、決して癒えることのない深い傷跡を、その心の奥底に刻むものとして、たしかに存在し続けているようである。

以下ソース
http://tocana.jp/2018/08/post_17466_entry.html

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