食品添加物に厳しい目が向けられている。とくにパンの添加物は話題になることが多い。トランス脂肪酸はその最たるものだろう。

 トランス脂肪酸は脂質(油)の一種。摂取量が多いと、健康診断の血液検査でおなじみのLDL(悪玉)コレステロールが増えて、HDL(善玉)コレステロールが減ることがわかっている。

 トランス脂肪酸が含まれる加工食品を食べ過ぎると、動脈硬化を招いて、心疾患、とくに狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患になりやすくなると言われている。

 トランス脂肪酸はパンやケーキなどの洋菓子、揚げ物に多く含まれている。トランス脂肪酸が多く含まれるマーガリンやショートニングなどの固形・半固形の油脂を使うことが多いためだ。

 マーガリンやショートニングなどの原料は、植物油などの常温で液体の油脂だ。これを固形化するための加工法のひとつとして水素を添加するが、そのときにトランス脂肪酸が生成される。

 トランス脂肪酸が多く含まれる油や食品は他に、植物や魚からとった油の脱臭をするために200度以上の高温処理をした油脂や、牛や羊などの反芻動物の胃の中の微生物によって天然に作られたものを含む肉や乳製品がある。

 パンは一部を除いて、常温で固形、半固形の油脂を使用する。風味や食感をよくするなどの多くの利点があるためだ。固形の油脂がいいならバターを使えばよいと思うだろうが、近年価格の上昇が激しい上に、供給量も安定しないため、バターが欠かせない製品以外には使いづらい。

 また風味や食感は、マーガリンやショートニングの方がサクサク感が出るなどの利点も多い。

 日本パン技術研究所の井上好文所長はパン業界の依頼を受けて、2006年に「加工食品、特にベーカリー製品中のトランス脂肪酸問題に関する報告」を発表した。日本ではほぼ心配する必要はない上に、油脂メーカーの努力によって、トランス脂肪酸の含有量はぐっと減ってきていると話す。

 「原材料メーカーの努力で、パンに多く使われる加工油脂製品に含まれるトランス脂肪酸の量はここ10年ほどでほぼ心配しなくてよいレベルになっています。一部ドーナツなどの揚げ物で、まだ多めに含まれているものもあることは確かですが、それを嗜好品として食べている分には問題ありません」

 油脂の生成過程の温度や時間、圧力を厳密に管理したり、油脂の加工段階で水素添加に変わる別の方法でマーガリンなどを作ったりするなどの技術の進歩のおかげだ。

 WHO(世界保健機関)では、トランス脂肪酸の摂取量を総エネルギー摂取量の1%未満に抑えるように指示しているが、日本人の平均摂取量は0・3%。米国の平均摂取量の数分の1以下だ。

 「米国の人たちの肥満は非常に深刻。油の摂取が過剰なためにトランス脂肪酸の摂取量もそれに比例して増えてしまいます。米の死因1位は心疾患で、影響を見過ごせない状況。日本人のトランス脂肪酸の摂取量は米国人と比べたらずっと少ない。極端に油脂を取りすぎなければまったく心配する必要はありません」

 日本のメーカーにはさらにトランス脂肪酸含有量の表示を期待したい。消費者側はトランス脂肪酸よりも油脂全般、とくに飽和脂肪酸(常温で固形、動物性が主)の摂り過ぎに注意したい。

以下ソース
http://www.zakzak.co.jp/lif/news/180927/lif1809270001-n1.html

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