戸叶和男『日本奇習紀行』

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 中世以降の日本においては、各地の代官の下などに、小さな村々を実質的に統括する役割を任された庄屋や名主の類が存在し、そこで暮らす人々をとりまとめていたが、そうした家柄にあった人々というのは、江戸幕府が滅び、明治政府が誕生した後も、“村の実力者”として代々その力を維持していたというケースが少なくない。しかし、こうした世襲制の権力というものは、得てして、その下に置かれる人々に、様々な被害を与えていたのが実情である。

「さすがに今じゃそういう人間もいなくなったけれども、昔、このあたりじゃ、代々庄屋を続けていた家があってね。もちろん、私が生まれた頃には、とっくに庄屋ではなくなっていたんだけれども、昔からの流れで、誰も逆らえないような金と力を持っていたんだよ」

 かつて当地で絶大な権力を有していたという、庄屋家系の“村の実力者”についてそう語るのは、現在でも当地でレタス農家をしている田中正吉さん(仮名・89)。田中さんの話によると、その“実力者”は、まるで自身の家来であるがごとく、自分の思うがままに村人たちを支配し、それに抗う者に対しては、徹底した圧力を加え続けていたという。

「なにせね、小さい村でしょう? あの家の人間に楯突こうものなら、この村じゃすぐに暮らせなくなっちまうんですよ。いわゆる“村八分”というやつです。ましてやね、戦時中なんて、そういう状態になっちまうと、まともに配給すら受けられなくなっちまうものだから、それこそ命そのものを握られているような状態。だからね、どんなに理不尽なことをされても、誰一人、文句が言えなかったんだよ」

 それが実力によるものではなく、代々世襲されているだけの利権であるにもかかわらず、事実上、“村人の命”を握っている立場にあるという強みから、悪逆非道の限りを尽くしていたという“村の実力者”。そのため、当地で暮らす男たちは、彼から「娘や妻を差し出せと」言われれば、それに従うよりほかなかったという。かくいう田中さんもそうした苦い体験を持つ村人の一人だ。

「私はね、すぐ横に座っているだけの私に対して、涙で枕を濡らしながら、“しょうあんめい、しょうあんめい……”(※「しょうがない」の意)って言って、犯され続けた女房や娘の姿が、今でも忘れられずにいるんだよ」

 当時、貧農に過ぎない彼ら村人たちと、“村の実力者”との関係は、それこそ、「大名と水呑百姓ほどの差があった」(田中さん)のだという。いつの時代も権力者というものは、その権力の強大さゆえに、力なき者たちの心を知らず、蛮行を繰り返すものだ。そんな手合に、自身の人生を翻弄され続けた田中さんのような善良なる人々の胸中を思うと、なんともやりきれないところである。

以下ソース
https://tocana.jp/2018/10/post_18391_entry.html

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