地球の大気にエアロゾルを噴霧し、太陽の光や熱を遮る人工的なシールドを作り上げ、地球温暖化を食い止める――。こんなアイデアが真剣に検討され始めている。最近も米イェール大学とハーバード大学の研究者がこの手法の可能性とコストを検証する論文を発表して話題となった。英「Daily Mail」(今月23日付)などが報じた。

 成層圏に硫酸塩のエアロゾル(空気中に浮遊する微小な粒子)を何百万トンと噴霧し、太陽からくる熱や光を反射させて地球温暖化を防ぐ。これは成層圏エアロゾル噴射(SAI)と呼ばれ、荒唐無稽とされてきたアイデアなのだが、最近では気候変動対策の切り札として真剣に検討が始まっている。

 今月23日、米イェール大学とハーバード大学の研究者らによるSAIに関する新たなレポートが、専門誌「Environmental Reserch Letters」に掲載された。レポートではSAIを実現するのに必要なコストはどれくらいかを検討し、その可能性を考察している。結論から述べると、「世界にはこのようなプログラムを立ち上げるための専門知識や資金の両方があるだろう」という。

 試算によると、プログラムはエンジニアリングの観点からは十分に実現可能で、必要な機材や航空機の準備におよそ15年程度必要だという。今年2018年にプログラムを立ち上げるとすると、必要な予算は35億米ドル(およそ3900億円)、さらに毎年22億2500万米ドル(およそ2530億円)のランニングコストがかかるそうだ。

 最もコストがかかると考えられるのは、エアロゾルを噴霧するための航空機チームの製作とされる。現在のジェット機でエアロゾルを撒いても、その粒子は数日で地上に落ちてしまう可能性が高いという。長期間有効なエアロゾルのシールドを作るには、まず、新型の航空機を開発する必要があるということだ。レポートではその航空機についても考察されており、小さな機体に大きな翼を持ち、4つのエンジンを持つようなものが検討されている。なお、このような飛行機は既存の技術で製作することが可能だそうだ。

 このように、レポートではSAIの実行が十分に可能であることを示し、「低コストで高性能」であるとしている。だがその一方で、予期しないリスクが存在することも認めている。SAIによって気候が極端に変化し、農業に影響したり、干ばつや災害などが引き起こされる可能性を否定しきれないというのだ。

 また、気候の操作は実現すれば非常に有用であるが、一度始めたら止められない性質のものである。もし何らかの理由でプログラムが停止してしまった場合、気候変動は速やかに進んで、人類には手を打つ暇もなくなる可能性もある。さらに、どこか一国がその技術を独占してしまった場合、その危険性は計り知れない。

 ただし、SAIも気候変動に対する一時的な対策に過ぎない。結局のところ、問題を先送りしているだけなのだ。もっと根本的な対策が実行され、こんな荒唐無稽なアイデアを実現しなくても済むことを祈りたい。

以下ソース
https://tocana.jp/2018/11/post_18908_entry.html

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