戸叶和男『日本奇習紀行』

 2015年に公開された大泉洋主演の映画『駆込み女と駆出し男』(原田眞人監督)では、いわゆる“駆け込み寺”を舞台に、そこで交錯する様々な人々の人間模様が描かれることとなったが、実はこうした“駆け込み寺”のなかには、俄かに信じ難い蛮行が繰り返されていた寺も少なからず存在していたようだ。

「このあたりじゃ、あの寺はかなり有名だったよ。なにせ、旦那に酷い仕打ちをされた女たちなんかがね、藁をもすがる気持ちで毎日のように駆け込んできていたんだから」

 古くから続く当地の“駆け込み寺”についてそう語りはじめたのは、近畿地方の小都市で暮らす今中昭三さん(仮名・90)。今中さんの話によると、彼が今なお暮らしている当地には、かつて、“A”という住職が切り盛りしていた寺が、“駆け込み寺”として近隣にもその名を轟かせるほどの賑わいを見せていたのだという。しかし、その名声とは裏腹に、Aは駆け込んできた女性たちに対して、俄かに信じ難い蛮行を繰り返していたというのだ。

「そもそも駆け込んでくる女っていうのは、何らかの事情で、逃げ出してきているわけでしょう? しかも、寺へと駆け込んできた時点で、もう後がないわけ。そういう事情をよくわかっているAはね、駆け込んできた女の中から、まず器量よしかそうでないかを振り分けて、器量の悪い女は寺の小間使いとして働かせて、器量がよい女はまず自分で抱く。そういうね、とんでもねえことを平気でやっていた男だったんだよ」

 文字通り“背水の陣”で自らの寺への“亡命”を実行してきた不幸な女性たちを、まずそのルックスで仕分けし、美人は自分で抱いて飽きるまで“性奴隷”として囲い、そうでない女性に対しては、単なる“奴隷労働者”としてコキ使っていたというA。こうした話を聞くと、すでにこの時点でも、Aはかなりの生臭坊主であったと言えるが、さらに問題なのはその後だ。

「それでね、器量が良い女は自分で抱くんだけれどもさ、それがだんだん飽きてくるとね、色町へ落とすんだよ。これが上手くしたものでさ、定期的にね、そういう女を買いに来るヤクザ者がいてね、そいつに、“今回はこの女とあの女で”みたいな感じで売っぱらっちまうの。な、ひどいクソ坊主だろう?」

 ルックスが悪いために、奴隷労働者として酷い仕打ちを受けているかに見える女性たちの待遇よりも、さらに劣悪な環境でしかない苦界へと送り込まれていったという美形の女性たち。藁をもすがる想いで、その門の中へと駆け込んできた彼女たちの胸中を思えば、あまりに惨い仕打ちであるとしか言いようがない。

「まあ、それこそ“罰が当たる”じゃないけれどもね、そんなことばっかりしていたものだからさ、Aはね、色町に売られていった女に悪事をバラされて、後々、寺も女も放り出して逃げることになったんだけれどもさ……まあ、あの様子じゃ、ロクな死に方していないだろうね」

 その悪辣極まりない手法が露見するまでは、まさに「神仏」であるかのように崇められていた時期もあったという生臭坊主・A。やはり悪事というのは、そう長く続けられるものではないのかもしれない。

以下ソース
https://tocana.jp/2018/12/post_18762_entry.html

★関連板★
■えっちな話題なら”ピンクニュース”
http://mercury.bbspink.com/hnews/
■新作AV情報なら”AV情報+”
http://mercury.bbspink.com/avplus/