戸叶和男『日本奇習紀行』

 いわゆる“夜這い”の習慣に関する伝承は、それこそ日本各地に存在しているが、そうした行為の多くは、その当事者たる地元住民たちの間だけで受け継がれているという、いわば“門外不出”のものであることがほとんどであり、それ以外の地域に住む“よそ者”にとっては、神秘のベールに包まれているものである。

「まあ、ここいらに住む人間しか知らないから、よその人からすれば、なんだか謎めいたものに思われるのかもしれないけども、別に大した話じゃないんだよ(苦笑)」

 かつて北関東のとある地域で行われていたという、夜這いの習慣についてそう語るのは、今なお当地で農業を営んでいる佐々木善蔵さん(仮名・81)。佐々木さんの話によると、その昔、当地においては“夜這い乱交”ともいうべき、なんとも珍妙な習慣が日常的に行われていたという。

「いやね、ここいらはね、なぜか昔から男が早く亡くなることが多い土地柄でね。私らが若い頃なんかもそうだったけれども、後家さんがあちらこちらにいたものだったんだ。だからね、そういう後家さんってのは、寂しい夜を過ごすもんで、うん、要は、そういうのを慰めるっていうかね、そういう習慣なんだな、言ってしまえば」

 現在ではそうした兆候もないようであるが、その昔、なぜか“後家さん”が多かったという当地では、彼女たちの火照る体を慰めるべく、村の男たちがこぞって彼女たちとの性行為を行っていたのだという。要はそれが当地における夜這いの習慣なのだが、問題なのはその方法だ。

「あのね、真夜中になるとさ、隣近所の男衆がね、4〜5人で1組になって集まるの。それで、その月の当番になっている後家さんの家に行くんだけれども、その家にはね、やっぱり同じくらいの頭数の後家さんが集まっててさ。不自然な話かもわからんけれども、みんな真っ暗闇の中で布団に入ってるわけ。並んでね。要はそれを頂戴するっていう、そういう話よ」

 なんでも佐々木さんの話によると、深夜に「当番」となっている後家女性宅を訪ねると、予めその女性によって集められていた近隣の“後家衆”が男たちを待ち受けるかのように、“狸寝入り”を決め込んでいるのだという。そのため、男たちは自分の気に入った女性をその中から選び、性行為に及ぶのだが、“コト”が済みさえすれば、今度は別の女性と交わり、それが終わればさらに別の女性と……という具合に、夜が白みかけるまで、乱交状態が続くのだという。

「まあね、そうは言っても小さい村なもんだから、毎回毎回同じような相手とすることになるわけ。だから結局は、村全体が兄弟みたいなもんになっちゃうんだよな(苦笑)」

 そうした背景からか、この習慣が定着していた時代には、村での諍いごともなく、平和な暮らしぶりが続いていたという同村。“後家乱交”という要素だけを見ると奇異な印象が強いことは否めないが、それが村の平和を保っていたことを鑑みると、ある意味、村社会においては理に叶った習慣であったと言えるのかもしれない。

以下ソース
https://tocana.jp/2019/02/post_19540_entry.html

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