リプライが書き込まれます。
「こいつウザい」「さっさと死んでくれよ」「キモー」

 柊先生は呆れます。「ウザい、キモい、死ね。よくもまあそんなゲスなワードが出てくるもんだわ、恥ずかしい......」
 そして再び、書き込みに対して、語りかけます。これ以上ないほど熱く。命を賭して。

「お前も! お前もお前も! 今までさんざん正義を振りかざしてたくせに分が悪くなった瞬間に子供のように責任転換を始める。自分を正当化するのに必死だなあ。つまんない生き方してんじゃねえぞ! 見苦いんだよ!」

「自分の親や友達に面向かって言えない言葉を見ず知らずの他人にぶつけんなよ! お前のストレスの発散に他人の心をえぐるなよ!」

「独りよがりに偏った正義感が束になることで人の命を奪えるかもしれないってことを。そこにいる君に! これを見ている貴方に! 一人一人の胸に刻んでほしいんだよ! 他人に同調するより、他人をけなすより、まずは自分を律して磨いて作っていくことが大切なんじゃないのか、てかそっちの方が楽しいだろ...」  

 柊先生が常々生徒に言っていた決まりセリフ「Let`think」は実はネットに書き込んでいる人、引いては視聴者に向けて言っている事が分かります。このライブ配信はその「Let`think」の言葉で終わります。

 菅田将暉、渾身の演技でした。そしてテレビドラマの歴史に残る名セリフでした。この場面、何度も繰り返して見られます。柊先生はまさに「ヒーロー」でした。

(文◎久田将義)

終わり