盛り上がりを見せる新たな学問である植物神経生物学だが、そこに待ったをかける声もある。

 米・カリフォルニア大学の植物学者リンカーン・タイズ氏は、植物が意識を持っている可能性は「事実上ゼロ」である、と学術ジャーナル「Trends in Plant Science」2019年8月号で発表した研究で記している。

 そもそも植物は意識を必要としていないということだ。なぜなら、彼らの太陽指向のライフスタイルにおいて、意識を持つことはあまりにも多くの消費エネルギーが必要であるからだと説明している。そして世界各地で時折発生する山火事で、もし植物たちに意識があるとすれば到底耐えられないこの世の“地獄”になることを指摘している。

 はたして植物に意識や感情があるのか、植物神経生物学の進展に期待すると共に、どうやら議論のほうはまだしばらく続きそうだ。

文=仲田しんじ

終わり