教育実習の現場で、実習中の学生たちが、教員や指導教員による「教育実習セクシャルハラスメント(以下、実習セクハラ)」にさらされる実態を記事の前編で紹介した。立場の弱い者に対して起こしている卑劣な行為は、どうしたらなくすことができるのか。(ルポライター・樋田 敦子)

川村学園女子大学教授の内海ア貴子さんによれば、実習セクハラは、大きくわけて次のように分類できる。

・身体接触型:「飲み会で手を握られた」
・からかい型・「職員室で卑猥な話題が出ていた」
・プライバシー侵害型:「携帯のカメラで何枚も写真を撮られた」
・ジェンダー型(性差別):「女だから大した職に就かなくても大丈夫」
・その他:「2人きりで授業の指導を受けた」

日本教育学会による調査(2015年度調査)によれば、2015年に教育実習を修了した学生594人(女性501人、男性93人)を対象にしたアンケートで、3.5%にあたる21人がセクハラ被害を受けたと回答し、5.89%がセクハラを見聞きしたと答えた。

これまでに報告されている実習セクハラの事例としては、次のようなものがある。

・「居酒屋で酔わせ、ホテルや車内でわいせつ行為」
・「校内で体を複数回触る」
・「懇親会後、公園のトイレに押し込み、キス」
・「打ち上げの席で、チークダンスを強要される」

加害者は管理職や指導教員で70%を占めているという。

「教育実習は主に実習生の母校で行われています。実習の協力をお願いする手前、弱みがあるため、学生はセクハラなどハラスメントに遭っても『このくらいは当たり前。我慢しなければならない』と受け入れてしまうのです。実際に、『これくらい我慢できなくてどうするのか』と言われた学生もいました。実習セクハラには、こういった構造的な問題があります。

実習生にとって母校での実習は安心感があるにもかかわらず、そこでセクハラ被害に遭ってしまった。その心痛はかなりのものです。母校であるがゆえに被害を公にできずに、ことを荒立てたくないと黙ってしまうのです」(内海アさん)

どうしたら実習セクハラの防止ができるのか。

内海ア教授らが調査を始めたのは、1990年後半から。93年、京都大学での「矢野事件」と呼ばれるキャンパス・セクハラを契機に、幼稚園や小中高でも職員を対象にしたセクハラがあるのではないかと注目が集まった。

そこで、平均して3週間程度実習をする大学生を通して、学校を舞台にしたセクハラの実態を調査しようと考えたのだったがーー。

「はじめは、実習を修了した学生に聞き取りをしたところ、自身が経験したセクハラに加え、生徒など学校内で見聞したセクハラを語り始めました。職員室では、『女子生徒の胸の大きさを話題にしていた』『授業中、特定の女子生徒の体を何度も触っていた』など、毎年どんどんセクハラの実例が出てきました」(同)

実習セクハラ被害に遭うのは、女子学生だけではない。男子学生も「男らしくない」という理由で長髪や服装にダメ出しされるなどして、教員になるのをやめた学生もいたそうだ。

「実習セクハラの背景には、自分の言動がセクハラに当たるという加害者意識の低さ、ジェンダー平等意識の低さなどがあります。

セクハラ防止のためには学校とともに社会全体のセクハラに対する意識を高める必要があります。神奈川県、千葉県、埼玉県などの教育委員会では、スクール・セクハラ防止、不祥事ゼロを呼び掛けていますが、特に教員など学校関係者全員に対する研修が重要なのです。

続く

以下ソース
https://www.bengo4.com/c_5/n_10134/

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