ケフィアは、ヨーグルトや干し柿といった加工食品の「オーナー」になれば、出資してから半年後に10%前後の配当を渡すなどと言って、多額の資金を集めていた。負債総額は関連会社も含めて、1200億円にのぼるという。ケフィアグループ被害対策弁護団の一人で、リンク総合法律事務所の中森麻由子弁護士が解説する。
「ケフィアの被害者は、弁護団に依頼している約970人のうち、60代以上が約790人と、高齢者が大半を占めています。被害者の方に話を伺っていると、老後資金を少しでも増やしたいという動機で投資を始めた方が多い印象です」
この約970人のうち、100万〜300万円の被害を被ったのが300人弱、1000万以上の人も約200人いた。
ケフィアは一口5万円という敷居の低さをウリに、次々と高齢者を引き込んだ。少しずつ金額を増やし、中には1億円を出資したが取り戻せていない人もいるという。
「ケフィア事件だけでなく他の詐欺被害事件でも、老後資金をつぎ込んでしまった結果、60代、70代で再び働き始めなくてはいけなくなる人も少なくないのです。その年齢では働き口も少ないので、お子さんに面倒をみてもらわざるを得なくなったという人も多くいます」(前出・中森氏)
うまい話には必ずウラがある。若い頃なら見抜けたかもしれない危険な匂いも、高齢になるほど判断力は低下する。これは仕方のないことだ。
そういう高齢者の心の隙間を狙うのが「催眠商法」だ。会場を異様な雰囲気に盛り上げ、高齢者を催眠にかかったような状態にしたうえで、次々と高額な健康商品などを購入させる。'90年代初頭に社会問題になり、一時は沈静化していたが、ここ数年、再び被害が増加している。
以前は2週間〜2ヵ月間ほど、イベント会場などを使い、高齢者を集めていた。しかし、最近ではその期間が3ヵ月〜半年間と長期化しており、より確実に、多額のカネを巻きあげる仕組みに変わっているのだ。『あやしい催眠商法 だましの全手口 身近な人を守るために知っておくべきこと』の著者のロバート・熊氏が話す。
「高齢者は社会的に孤立しがちなので、催眠商法の会場に通っているうちに、そこが貴重なコミュニティになります。同じ年代の人が集まってくるうえに、チヤホヤされて自分が必要とされているように感じ、『自分の居場所』であるかのように錯覚してしまうのです」
中には催眠商法に引っ掛かっていると気が付かないまま、長年にわたって騙され続けるケースもあるという。ロバート・熊氏が続ける。
「一度騙されると、老後の資産がすべて吸い取られると言っても過言ではありません。子どもがいくら『父さん、もう行かないでくれ』と頼んでも、催眠商法の会場に行ってしまう。
直接、お子さんが業者に『これ以上、ウチの親に商品を売りつけないでくれ』と苦情を入れるケースもある。それでも、親はチヤホヤされたくて『子どもは関係ない、売ってください』と買っていくんです」
本人は自覚していないが、一度騙される人は何度でも騙される。高額の訪問販売や、「先祖の祟り」と言って壺などを売りつける霊感商法など、次々とハメられてしまう。結局、借金の肩代わりなど、子どもが尻ぬぐいをさせられる事例が後を絶たないのである。
周りが迷惑しているのも気付かず、亡くなった後に「死んでせいせいした」と言われるのは、なんとも切ない。
「父が末期がんを宣告されたのは5年前のことです。父の希望で、自宅で療養することになりました。でも死への不安からか、父はだんだん自分勝手になりました。
母は夜中じゅう苦しむ父の背中をさすってあげるのですが、『そこじゃない、もっとしっかりさすってくれ』と怒鳴り散らすんです。だんだん母の顔つきが曇り、『なぜそんなにお父さんは私を苦しめるの?』と泣き出すようになりました。そしてとうとう母も寝込んでしまいました」
続く
以下ソース
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/66954
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